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【日本商業新聞 コラム】-744- ブルーカラービリオネラ

  • 日本商業新聞
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

史上最大の国家予算となった。


日本を強くすると高市総理大臣はご満悦だが、その内容は彼女のいう「積極財政」どころか、コロナの時代からの悪癖である「バラマキ財政」に他ならず、どんな要望でも国民が欲しいと言えば与えてしまう「人気取り財政」、あるいは国会運営の為に野党に迎合する「風見鶏財政」でもある。



見境のない出費のツケは数年後に出てくると思われるが、美濃部お手盛り財政の立て直しに10年以上もかかった悪夢の再来にならなければいいと思う都民は少なくない。加えて師と仰ぐ安倍元首相でも躊躇した禁断の領域まで踏み込む危険な外交センスは危げで、一国の宰相としての合格点は上げられない。


それでも彼女の支持率は高い。前の総理大臣からみればうらやましい限りだろうが、首相の人気などその程度のもので、実態も実力も関係なしに決まっていくものだと思えば悔しさも薄まるだろう。鳩山さんだって最初は高支持率だったのだから。



女性初の総理大臣であること、曖昧さを嫌い明快な答弁をすること、SNSを上手に使うこと、これらが若者を中心に人気のある要因だが、一方で物事を表面ズラで考えがちな人、人生の辞書に「忍耐」や「辛抱」という言葉の無い人も高市さん人気を支えている。


物価高と生活苦を考えればバラマキの対象などあらゆるところにある。人口増を期待すれば分娩費や養育費の国家負担が、教育機会の均等を目指せば高校授業料の無償化が容易に考えられる。でも高齢者や未婚者はその恩恵の浴さない。彼らの税金が子沢山の家庭に振り分けられる。それがはたして政治のやることだろうか。



昔、貧乏な時代に生まれ、貧しさゆえに高校進学を諦め、それでも勉学の志を就職先で果たした人は珍しくない。そもそも貧乏の程度とその家に生まれる子どもの数は比例しなかった。彼らはそれほどの不平等感を持っておらず、境遇が与えてくれた栄養剤とまで思っているふしもある。


しかし時代は流れ、耐えられない人、やたら人権問題にすりかえる人、そんな人たちが増えた。我慢のともなう境遇には1%の価値観も見出せない人たちだ。それゆえバラマキには一定の効果があり、喜ぶ人も多い。でも政策としては「愚策」と言わざるを得ない。もっと未来を見据えた解決策を考えるべきだと思う。アベノミクスの完遂を目指すなんて志が低すぎる。



そんな中、アメリカで「ブルーカラービリオネラ」という動きがある。難しい経理の仕事をしていた人が配管工に転職した結果、給料が3倍になったというのだ。日本でもブルーカラーと称されるエッセンシャルワーカーの人たちは手に技術が有りながら待遇面では劣位にいるが、AIが普及し、労働者不足の時代には最も望まれる職種になるという筋書だ。



「正義の鉄槌」だと思う。日本もこうありたいものだ。ところが現実はそうではなく、全員がホワイトカラーを目指す社会構造に陥っている。工業高校の激減はJRの保線区に著しい人材不足を招いているし、農業高校の激減は昨今の農政の体たらくにも繋がっている。エッセンシャルワーカーが待遇面でも社会的地位でも認められる社会を作ることが肝要で、高校無償化など日本の将来に暗雲を招くだけ愚策だと思ったほうがいい。

(団塊農耕派)

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