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【日本商業新聞 2026年9月7日号】店頭でエンターテイメント訴求

  • 日本商業新聞
  • 11 分前
  • 読了時間: 4分

今、化粧品専門店ならではの提供価値に、「自分を知ること」の「楽しさ」が新たに加わりつつある。専門店の強みは、美容のプロであるお店のスタッフが、お客様との対面で導きだしたパーソナルなお手入れ提案であり、それがお店やブランド・商品への「信頼」へつながっていた。そして、その強みに加えて、「自分を知ること」をエンターテイメントの一つとして捉える生活者が増えていることを背景に、「楽しさ」という新たな価値の提供が可能となり、専門店が持つ可能性に確実な拡がりを見え始めてきている。(半沢健一)



■自分を知る「楽しさ」


専門店で「自分を知ること」という体験を提供する代表的な取り組みとして、「肌診断」や「パーソナルカラー診断」がある。


化粧品に関する情報が溢れる今、「自分に最適な化粧品は何か」「化粧品選びに失敗したくない」という不安を感じている生活者は多い。そうした生活者にとって「肌診断」は、自分の肌に最適な化粧品を知るだけでなく、そこに美容のプロによるアドバイスや提案が加わることで、より安心して化粧品選びやお手入れに取り組むことができる。また、専門店にとって店頭での「肌診断」は、新たなお客様との出会いは勿論、既存のお客様でもお手入れの成果を定期的に確認してもらい、それがお店やお手入れ提案に対する信頼となり、長期愛用者への道筋となる。


そして、「肌診断」と同様、「自分を知る」という価値を提供する取り組みの一つに、資生堂の「パーソナルカラー診断」がある。本紙では毎月、特別企画「専門店キャッチアップ」を掲載しているが、そこで多くの専門店が「パーソナルカラー診断」を活用し、新たなお客様との出会い創出につなげている。先日も地方の専門店を取材した際、店長は「新しいお客様を増やすため、定期的に『パーソナルカラー診断』を実施しており、遠方からも多くの方にご参加いただいている。一度の来店で終わらないよう、お客様の肌や嗜好に合わせた提案で次の来店につなげることを心がけている」と説明。なお、『パーソナルカラー診断』を実施するたびに、2~3名の新規客を獲得している。


今、スマホでも気軽にパーソナルカラー診断ができるが、それでも店頭でサービスを受けたいという生活者は存在する。そこには2つの理由があり、1つ目は、美容のプロからお客様だけのアドバイスや提案を受けられることで、専門店にしかない価値といえる。2つ目は、資生堂の「パーソナルカラー診断」が肌や髪、瞳等、生まれ持った色との調和だけでなく、「チャレンジしたい色にどう合わせるか」まで提案し、「今後どういうメークがいいのか」というニーズに応えることで、「知る」だけでなく「体験」にまでつなげている。

 


■専門店の新たな価値提供


そして、「自分を知ること」を「楽しい」と捉える生活者が増えている。


横浜みなとみらいにある資生堂の研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター」内にある体験型施設「Shiseido Beauty Park」で提供している体験型サービ「Shiseido Beauty diagnosis Lab(美の検診)」では、有料にもかかわらず、毎月の予約開始日には即日完売の状況。驚いたのは当初の想定以上に20~30代の若い世代の人気を集めている点だ。


資生堂/ブランド価値開発研究所SBP価値共創室・中西裕子室長は、人気の理由を「今使っている化粧品が肌に合っているのか、さらに美しくなるための伸びしろはどこにあるのかを知りたいという方が増えている一方、新しい自分を発見することをエンターテイメントとして楽しむ方も増えている」と分析。今まで化粧行為を「欠点を補う」と捉えがちだったが、徐々に「自分の個性を活かす」と捉える生活者が増えているためではないだろうか。


これまで専門店の提供価値は、美容のプロがお客様と対面し、肌状態や嗜好に合わせたパーソナルなお手入れ提案による「信頼」だったが、新たに「今まで知らなかった自分を発見することの楽しさ」も提供できるようになったといえる。


専門店の強みや可能性に拡がりが出始めた今こそ、お客様に寄り添い、想いを叶えるというお店の姿勢が一層大事といえる。

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