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【日本商業新聞 2026年2月16日号】成長の鍵は地域との連携強化

  • 日本商業新聞
  • 5 時間前
  • 読了時間: 4分

少子高齢化及びデジタル化が急速に進む昨今、化粧品専門店では「いかにリアルの持ち味をアピールしていくかが問われている」と課題を掲げる経営者が増えている。そこで、同課題を突破していく中で注目を集めているのが〝地域との連携強化〟である。地域との繋がりは人が軸であり、AIには成しえない活動であること、また顧客の絶対数が減少する地域密着型の専門店では、未来客との出会いに繋がる可能性も大いにある。地域での存在価値の向上が成長の一つのカギとなりそうだ。(中濱真弥)



■新客との出会い創出


都市部から離れた地域密着型の路面店経営者は「地方のお店が抱える大きな課題は、お客様の絶対数が少なくなってきていること。今後は新客獲得と客数維持を図る為の新しい取り組みや対策が迫られている」と危機感を募らせる。


また某テナント店経営者は「先日『AIで自分に合う商品を探し、実際に使ってみたがどうも肌に合っていない気がする』という理由で来店されたお客様がいて驚いた。また最近はSNSで商品を探す方も増えており、化粧品選びにおいてここまでデジタル化が進んでいることを改めて自覚させられた」と話すと同時に、「今後はいかに我々化粧品専門店が持つリアルの持ち味をアピールしていくかが問われている」と言及する。


このように、今化粧品専門店では様々な課題が積み上がる中、悩みは違えど「リアルの強みや魅力をどこで・いかに発揮し、顧客から選ばれる存在になっていくか」というテーマが今後注目すべきポイントとして挙がっている。


そこで今、多くの専門店が注目しているのが〝地域との連携強化〟である。地域の繋がりは基本〝人と人との繋がり〟が軸であり、AIには成しえない部分であること、また地域密着型の専門店においては、先述の通り顧客の絶対数が減少する中において、新客との出会いに繋がる可能性が大いにある。



■地域における存在価値向上へ


そうした中、早くから地域との協働を行っている熊本県アテナリ・吉永氏は、地域活動のメリットについて次のように語る。


「当店は、菊池市・金融機関・大学と一緒に地方創生における取り組みを行っており、一例を挙げると、親御さんに向けた『子どもの肌を紫外線から守る大切さ』や、資生堂SLQと協働で『化粧療法』講座などを実施。活動のメリットは、自然と他の小売業との横の繋がりができる他、お店を知っていただけるきっかけにもなり、入店時のハードルが大きく下がること。デメリットはないので、できるならやった方がいいというのが率直な感想」と語る。


こうした活動がキーとなり、今ではカフェとコラボの「ランチとメイク講座」を開催したりと、自店の認知拡大にも積極的に取り組んでいる。


またある路面専門店では、他の小売店とコラボし、互いに顧客を紹介し合う取り組みを考えているという。内容としては「何か特別な準備をするのは大変なので、コラボ店間で購入したレシートを見せると、例えばサンプルプレゼントや、飲食店であれば100円引きなど、何か特典や割引を行うという形で行えればと思っています」と話す。


また違った形だが、資生堂ジャパン近畿支社では、生活者と専門店を繋ぐことを狙いとした「インスタ広告」による店頭送客活動を25年から実施している。SNSを苦手とするお店も多いことからも、こうしてメーカーからのフォロー体制があることは専門店にとって非常に有難い施策だと言える。


実際にインスタ広告にチャレンジしたお店では「当店はパーソナルカラー診断を打ち出したのですが、数は少ないながらも新しいお客様との出会いに繋がりました。中でも最も嬉しかったのが〝広告の閲覧数〟です。沢山の方が見てくださったことがとても嬉しく、今後の活動の励みになりました」と、引き続き同活動への取り組みに意欲をみせる。


このように、専門店でしか成しえない活動の種はまだまだあると感じている。地域へと根付く種を花として開花させ、存在価値を高めていくことが求められている。

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