【日本商業新聞 2026年11月2日号】注目高まる〝PBコスメ〟
国内の化粧品市場において「PBコスメ」が存在感を高めている。ドラッグストアはじめ大手チェーンがPBの開発に力を注ぐ中、化粧品専門店においても、シートマスクやハンドクリームといった独自のオリジナルブランドを展開するお店が増えつつある。その背景には、小ロット生産が可能なOEMメーカーが増えていることに加え、利益率の高さが主な理由として挙げられる以外にも、ここにしかない「自店のスターアイテム」を育成できるという点においても、注目が集まる要因となっている。(中濱真弥)
■専門店も続々と参入 - マスクやハンドクリームを展開
以前のPBは、NBより安いながらもそれなりの品質が担保されているという認識だったが、昨今では独自性や機能性に優れた「高付加価値PB」として展開を強化する小売が増えている。
マツキヨココカラ&カンパニーは、中期経営計画でPB商品の売上高構成比を15%以上に高めることを目標に掲げ、化粧品を中心としたPBの差別化を加速。ツルハホールディングスでは、ウエルシアグループとの経営統合の象徴となる新PBとして、「からだとくらしに+1」を発表。2029年2月期までにグループ全体のPB売上高4000億円を目指すとし、そのうち「プラスワン」で1000億円の売上を狙う計画を示した。
一方で「@cosme2025ベストコスメアワード下半期トレンド予測」では、「PBコスメ戦国時代」がキーワードとして挙げられ、口コミデータでも「プライベートブランド」というワードが過去1年で1.5倍に増加したと説明。
また会員アンケートによると「PBの化粧品は顧客が欲しいものをよく理解している」と答えた割合が22.6%、SNSでPBコスメを話題にしている10代は23.2%に達するなど、PBコスメの存在感は高まりをみせている。
こうしたPBコスメへの参入は、化粧品専門店においても少しずつ広がりをみせている。萬成堂(兵庫県淡路市)では、日生バイオの独自技術を活用したシートマスク「RPグロウマスク」(1枚・1870円)を開発。現在は2代目となる同商品だが、初代は発売1カ月で1300枚、2代目は発売1カ月で1400枚を販売するなど、同店のスターアイテムとして高い実績を誇る。
パーミンダイゴウ(埼玉県さいたま市)では、今年2月の店舗リニューアルに合わせ、同店オリジナルハンドクリーム「ハンドセラム」(2200円)を発売。ポンプタイプのハンドクリームで、手肌のうるおいを守りながら、ベタつかずすっとなじむ使い心地の他、店長こだわりの甘すぎない香りも好評を得ている。
そして和歌山県海南市に位置しているカワサキ&フェイシャルクラブでは、オリジナルコラーゲン「コラーゲンMX100000」(200g・2138円)を長年に亘り展開。品質基準の厳しいドイツ・GERITA社で精製し、日本で製品化した安心・安全なコラーゲンとなっており、更に糖質や脂質をすべてカットした純度100%の同商品は、ティースプーン2杯で1日分の理想量5000㎎が摂取できるなど吸収効率が高い商品となっている。また冷たい水でもサッと溶け、無味無臭であるため「とても飲みやすく続けやすい」とお客様からも好評で、同店のインナービューティーを支える逸品として確立している。
このように、専門店PBが広がりつつある背景には、小ロット生産を可能とするOEMメーカーが増えていることや利益率の高さが挙げられ、また自店が思い描く商品を開発できるなど、〝ここにしかない〟自店のスターアイテム育成に繋がるというメリットもある。
実際に、萬成堂では販路拡大に取り組むなど「やりがいに繋がっている」と話す。多種多様なコスメが溢れる今の時代だからこそ、自店だけのオリジナルアイテムは今後より際立つ存在になっていくのかも知れない…と期待を寄せている。



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