【日本商業新聞 2026年10月26日号】独自の活動でファンを増やす
特別冊子「STORY」の取材で、今回、記者は石川県白山市の「ナオミヤ」と、静岡県沼津市の「コスメテリア ららぽーと沼津店」の2店を取材した。「ナオミヤ」は、地域活性化に、「コスメテリア ららぽーと沼津店」では、肌診断器と美容機器を連動させた体験活動に取り組み、いずれもファンを増やし続ける。化粧品を買う場所や選ぶ際の手段は多様化しており、特に専門店流通では、「専門店ならではの価値」が大事になっている。これら2店での取り組みは一見違って見えるが、いずれも「専門店ならではの価値」でお店の個性を大きく打ち出していたのである。(半沢健一)
■専門店の強み生かす - 地域の活性化と体験活動
まず1店目は、石川県白山市にある「ナオミヤ」だ。創業93年の老舗専門店だ。創業以来、地域とのつながりを何よりも大切に、化粧を通じて地域やそこに住むお客様を元気にすることに取り組み、「地域に根ざした専門店」を目指してきた。
そんな「ナオミヤ」が特に力を入れるのが「化粧を通じた地域への貢献」だ。お店ではこれまで独自にスキンケアやメイクアップ関連のセミナー、食育イベントなどを行ってきた。今年8月には「資生堂 化粧療法セラピスト+」の資格を持つ永井郁子店長が講師となり、お店主催で「化粧のちからで元気に楽しく!セミナー」を実施した。
なぜ、「ナオミヤ」が地域活性化に取り組むのかそこには専門店を家業とする家で育った永井店長ならではの思いがある。「化粧品店が地域の人たちにとって憩いの場のような、井戸端会議をするような風景の中で育ちました。そんな経験から、化粧品を通じて、もっと地域に貢献できることはないかと思うようになりました」と話す。永井店長が思う、化粧品店がこれまで担っていた、「多くの人で賑わい、人と人とがつながり、地域全体を元気にする場所」であることを目指している。
同セミナーでは、化粧療法を通じて健康寿命延伸の大切さを発信、セミナー参加者から高い評価を獲得したほか、新たなお客様との出会いにもつなげている。セミナー終了後、永井店長は「1年でも1日でも長く、化粧を通して元気な人を増やすお店でありたい」と話す笑顔が忘れられない。
2店目は「コスメテリア ららぽーと沼津店」。お店は今年7年目。オープン以来、実績を伸ばし続けており、その成長を支えるのが、肌診断器「スキンカウンセル」と美容機器「IMキューブ」を連動させた体験活動だ。お客様との深い関係性をつくる活動と位置付け、各スタッフは1日3名のお客様に体験してもらうことを目指している。
体験活動をお勧めする際、「2~3分で済むので肌診断器でお肌の状態を見てみませんか」と診断に必要な時間をさりげなく伝えながら紹介。診断結果をもとに、化粧品やお手入れを提案した後、「よろしければ20分ほどで、お手入れの心地よさや、スキンケア後の肌実感をご体験いただけますよ」と、お客様にプレッシャーを感じさせず、自然に受け入れやすい形で紹介している。聞けば、全国のコーセーリングストアの中でIMキューブの活動数は1位だという。
さまざまなブランドを取り揃えるオールコーセーの強みを生かした幅広い提案と、短時間でエステのような肌効果を提供することで、商品はもちろん、お店や提案への満足度を高めている。
菅原花那店長は「お客様に体験を通じて自分に合った化粧品を見つけていただきたいのです。お客様に最適な化粧品はネットだけでは見つけにくく、直接対面してお肌に触れたり、お話ししたりと、人と人だからわかることがあります。お客様の『もっときれいになりたい』という気持ちを引き出す、それを大切にしています」と話す。
今回の取材を通して改めて感じたのは、「専門店ならではの価値」をどう発揮していくのか。「ナオミヤ」は、地域とのつながりを通じてファンを増やす、「コスメテリア ららぽーと沼津店」は体験を通じてファンを増やす。お客様や地域を元気にすること、お客様に合った化粧品を提案し、「もっときれいになりたい」と気持ちを引き出すこと。これらは「専門店ならではの価値」であり、その強みを発揮する活動だ。



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