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【日本商業新聞 2026年10月5日号】人を介してお客様の期待に応える

日本商業新聞
14 時間前
読了時間: 4分

「人の手を介した活動でお客さまの期待に応える」


これは、専門店の強みが持つ重要性が改めて認識されている今、お店やメーカーが取り組んできた活動の先にある思いである。激しさが増す化粧品業界でお店の熱烈なファンを増やし、存在感を高めるため、「お客様に店頭に足を運んでもらう」「お店のファンになっていただく」、この一連の活動が欠かせない。そして今、その思いを実現するために、高齢化社会という社会構造や新たな技術を活用した取り組みが増え始めており、活動の幅はさらなる広がりを見せる。(半沢健一)



■専門店のファン増やす


「店頭に足を運んでもらうこと」については、お店ではSNSを使った情報発信や、独自に制作した動画を配信しているほか、お店やメーカーが協働で定期的にイベントを開催するなどし、リアルな接点づくりに力を注いでいる。また、お店の中だけでなく、外にも活動の場を広げ、今まで出会えていなかったり、専門店の魅力に触れたことのないお客様との接点づくりに努めている。


先日、紙面で紹介した化粧品専門店「ナオミヤ」(石川県白山市)もそのうちの一店だ。8月下旬に、同店主催で地域のシニア層を対象に『化粧のちからで元気で楽しく!セミナー』を開催。「資生堂 化粧療法セラピスト+」で同店店長の永井郁子氏を講師に、「資生堂 化粧療法」を通して、健康寿命延伸の大切さを伝えた。その内容は、既に紹介しているため割愛するが、表情筋のマッサージから始まり、スキンケアやメイクアップなどについてわかりやすくレクチャーし、参加者から高い評価を得た。


セミナーを開催した背景には、専門店への強い思いがある。「家業が専門店だったので、生まれた時、既に化粧品が周りにありました。当時、今のようにドラッグストアが当たり前ではなく、化粧品店が地域のコミュニティのような存在で、いつも賑わっていて、化粧品の魅力や素晴らしさを幼い頃から見てきました。今、新しいお客さまとどう出会うか、どう利用していただくかが課題です。やはり専門店の強みである『人の手を介した活動でお客さまの期待に応える』、そこに尽きると思います」と話す。


また、それ以外のお店でも、商業施設のイベントスペースを活用し、肌診断会やメイク相談会などを実施。お店以外の場所で化粧の楽しさや大切さ、お店独自の魅力に触れてもらい、来店へつなげているお店は多い。


そして、これらの活動で、お客様との接点を広げて来店してもらった後、重要なのが「お

店のファンになっていただくこと」だ。お客様と直接対話し、今抱えている肌悩みや、その方が今求めている「キレイ」を叶える美容提案が重要になる。一人ひとりに寄り添った接客や美容提案は専門店ならではであり、そのためにお客様と向き合う時間を増やす活動に取り組むお店やメーカーが増えている。



■独自の取り組みがより顕著


そうした取り組みの一つが、先日、資生堂ジャパンが展開する、スマホ・タブレットを活用したバックヤード業務効率化アプリ「Kakehashi」だ。紙伝票を使用した目視での検品や紙伝票の管理など、煩雑なバックヤード業務を効率化するWEBブラウザ型アプリで、納品商品の検品作業や納品伝票の確認、返品回収(今下期から追加)などの業務をデジタル化し、バックヤード業務を効率化する。


検品や返品にかかる時間を減らし、創出した時間や人手をお客様と向き合うために活用し、接客数や接客時間を増やすことを目指す。


既に多くのお店で活用されており、同社推計で2025年年間5255人時/年(一人で年間5255時間働く仕事量に相当)の削減効果を生み出している。


店頭に足を運んでもらう活動、そして、そのお客様にお店や専門店ならではの価値を感じてもらい、ファンになっていただく活動。これら二つの一連した取り組みは今まで多くのお店で取り組んできたが、改めて、その重要性が強く認識され、お店もメーカーも様々な活動に取り組んでいる、そして、その先には、永井氏の言葉通り「人の手を介した活動でお客さまの期待に応える」に尽きるのではないだろうか。

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