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【日本商業新聞 2025年11月3日号】「来店動機」好事例を紹介

  • 日本商業新聞
  • 13 分前
  • 読了時間: 4分

ECの台頭をはじめ、消費者の化粧品に対する購買行動が多様化している時代の中で、化粧品専門店流通では、以前よりも「リアル店舗に求める価値とは何か」、あるいはどんな施策や活動が消費者の「買いたい」「行ってみたい」という〝来店動機〟のスイッチに繋がるのか、いま一度真剣に考える時にきたと感じている。


その中で、今号では「新規→リピート→絆顧客」と、それぞれの活動別に、実際に来店動機に繋がった好事例をお届けする。(中濱真弥)



■カギは体験サービス


10月号の「専門店キャッチアップ」では、【売上・新規・リピートに繋がる体験活動】について、各店がそれぞれの好事例を披露した。また化粧品専門店の取材を通して、どのような活動や施策がお客さまづくりに対し効果的なのか、ユニークな取り組みも交えた総括をお届けしたい。


まず「新規顧客」においては、「デジタル発信による出会いの創出」と、エステやパーソナルカラー診断、眉デザインなど、お店でしか体験できない「サービス」を強みとしたきっかけづくりが好事例として挙がっている。


「デジタルでの取り組み」においては、googleビジネスのプロフィールの最適化、またインスタグラムのハッシュタグなど、熊本の「アテナリ」では「検索から自店を見つけてもらい、来店動機をつくることが狙い」と語る。


「体験サービス」では、自店及び行政や自治体が行っているイベントからの繋がりが最も多く、「ギンザビビ岩槻店」では、さいたま市の商工会議所と連携した「まちゼミ」に出店し、カラー診断と眉の描き方講座を実施した結果、40名を超える方が参加。


また「大野屋」では、「秋の資生堂美肌フェス」として、カラー診断&メイクと、肌診断&エフェクティム体験を行い計28名が体感されるなど、やはりイベントは集客性という点で期待度は高い。


一方、郊外で路面専門店を営む「くすりのポニー」では、店外に向けた〝眉デザイン看板〟が新客獲得に大きく貢献している。中でも年齢の高い方の需要が高く、その理由として「年齢を重ねる毎に毛量の減少や白髪といった外見の悩みの他にも、『目が見えずらく自分で整えられない』と内面の悩みを抱えられている方も多い」という。


次に「リピート」に有効な活動として最も多かったのが〝ライトエステ〟だ。「ひかりや」では、3品以上の購入で3回無料、または年間10万円以上の購入で月1回の無料施術を提供。また別の路面専門店では、自宅ではお手入れが難しい「毛穴エステ」を推奨し再来店の固定化に繋げている。


ライトエステの良さは何と言っても〝手軽さ〟にある。ハードなエステとなると時間を要する一方で、ライトエステは短い時間で納得の美容効果が得られるため顧客満足度も高く、また継続率向上にも繋がりやすいといった利点が挙げられる。



■「新規・リピート・絆顧客」で明確化


その他にもユニークな取り組みで再来店率アップに繋げているのが「くすりのポニー」である。具体的には、「1回のお買い物で2000円以上お買い上げいただいた方に、来月使える〝サイコロゲーム券〟をお渡しする」というもので、サイコロを転がし、出た目の数だけトイレットペーパーがもらえるといった、顧客を巻き込んだ店内イベントとなっている。


〝2000円〟という買いやすい価格設定と毎月更新という点が再来店のカギだそうで、

「お客さまも毎回大盛り上がりで、当店の名物企画となっている」と話す。その他にも誕生日月のお客さまには豪華な「特別引換券」をお渡ししたり、年に2回豪華景品が当たる「くじ引き」を行ったりと、年中ワクワク楽しい企画で溢れている。


最後の総括として、「リピート客から絆顧客」へと深化させる取り組みで最も多かったのが〝VIPメンバー制度〟である。「ビューティーケアつかもと」では、「VIPメンバーは高価格商品を受容してくれる特別な顧客。当店ではプレゼントをお渡しするなど、感謝を形にすることで流出を防いでいる」という。


このように「新規→リピート→絆顧客」と各々の活動を明確化することで、再来店及び自店の価値向上に繋げていただきたいと思う。

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