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  • 日本商業新聞

【日本商業新聞 1面】専門店・2月の店頭状況 2022/3/21

■専門店・2月の店頭状況

 2月はオミクロン株の感染拡大に加え、寒波の襲来が重なるなど地域によって差はあるが、化粧品専門店全体としては厳しい結果で終了したようだ。そうした中、資生堂では「ビューティーパートナーコンベンション」を、アルビオンでは各クラスの「セミナー」が開催され、2022年度の取り組みを発表。両社共に「トップのメッセージが強く響いた」という声と共に、「期待が持てる内容」との見方が大半となっており、今後の動向が期待される。



■全体的に状況厳しく

 1月から急激な感染拡大を続けたオミクロン株は、化粧品専門店の「2月の店頭状況」にも大きな影響を与えたようだ。その中で、大半の店舗が売上・客数は前年を落としているものの、「客単価」は前年並み、もしくは前年を上回る店舗もあるなど、1品あたりの単価が上がっている傾向がみられる。そこで、ショッピングセンターで展開している店舗の実績をみると、

 ▼A店=「売上」前年比97%、「客数」同94%、「客単価」103%。▼B店=「売上」同90.5%、「客数」同92.9%、「客単価」同97.4%。▼C店=「売上」同98.1%、「客数」同96.8%、「客単価」同101.4%。▼D店=「売上」同105%、「客数」同99%、「客単価」前年増。

 となっており、その要因として、SCを中心に多店舗展開している専門店経営者は「第6波以降、まとめ買いが増えていることや、都市部の中心地であるデパートなど人が集まる地域での買物を控えている傾向にある」と顧客の購買行動について分析する。


 また2月は各地で大寒波が押し寄せたことで、電車やバスなど交通手段がストップするといった影響を受けた地域は更に厳しく、コロナと自然環境によるダブルの要因によって「21年度も厳しかったが更に落として前年比90%となった」と話すなど、全体的に厳しい状況の中で、地域や立地によっても差が生じるという結果となった。



■2社トップの声に〝期待感〟

 このように、22年度も厳しいコロナ禍の中のスタートとなったが、2月に開催された資生堂の「コンベンション」及びアルビオンの「セミナー」はお店から〝期待感〟の声が集まっている。


 まず「資生堂」では、

「特にDNA解析からの店頭送客はまさにDXの取り組みとなりうる流れを作れると思う。その他、大きな投資というよりは、現状あるものや考え方を進めるという内容だったが、専門店についてはこういった形で良いと思うのでしっかりと推進してほしい」

 「新しい取り組みに魅力を感じた。あとはどれくらいのお店がその魅力を共有してついていけるかだと感じている」

「ようやくBQもアイテムが揃ってきた。あとは20~30代にターゲットを絞ったラインがもう1つ欲しいといったところ。全体を通しての感想は期待以上で、やっと資生堂の売上も上向くのではと期待している」といった声が集まった。


 次に、「アルビオン」では

「変わらずブレない安定感のある内容だった。特にスキコンのリニューアル、エクサージュに替わる新ブランド、既存ブランドのバージョンアップも含め、アルビオンの優位性は続くだろう」という声が多かった他、

「フローラドリップの限定販促は、厳しい状況の中でもお店に少しでも利益を還元したいというアルビオンの思いが伝わった。メーカーもお店も厳しいことに変わりなく、共に乗り越えていきたいという気持ちがより一層強くなった」という、メーカーの思いに賛同する声も。


 そして両社共に共通していたのが「トップのメッセージが例年以上に強く届いた」という点だ。やはり業界のみならず、経済全体が逆風の中で、信念を感じさせられるトップの声がしっかりと届いた点はスタートへの大事な一歩であり、それを踏まえ今後重要になるのは、しっかりと内容を実行へと移していく〝現場力〟にかかっている。


 また、より専門店の安定経営が重要視される中、クレジット決済の増加による資金繰り難を解決する「支払いサイトの延長」を、恒常的なシステムへと対応していくことも必要になるだろう。是非、この〝期待感〟が好結果となって表れることを願いたい。


(中濱)

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