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  • 日本商業新聞

【2023/6/5 日本商業新聞】各社から多数の秋冬新製品/導入ターゲットを明確に/新製品の魅力を伝えきる

5月に入って、国内の大手化粧品メーカーから秋冬に向けた新製品の導入が相次いで発表され、市場活性化の明るい材料として大きく期待されている。

しかし、単に新製品を導入しただけでは市場を活性化することに繋がらない。その新製品の魅力を生活者に伝えるということが伴っていなければ、その魅力は半減してしまう。

さらにその伝えきるという役割を担っているのが、お店のスタッフやメーカーの美容部員であるのは言うまでもない。そしてコロナが収束した今、よりその重要性が強まってきている。(半沢)



■各社から多数の秋冬新製品


 5月に入って、国内の大手化粧品メーカーから秋冬に向けた新製品の導入が相次いで発表されている。コロナ禍の数年間、ストップを余儀なくされていた商品施策だが、それまでの遅れを取り戻すかのようにも見える。


 コロナ禍においてリモートワークが当たり前の生活様式となったことで、外出する機会は減り、スキンケアだけでなく、メーキャップやベースメーキャップへの意識も低下した。コロナが収束して人の流れは以前のように回復してきており、同じ様に化粧行為への意識も徐々にではあるものの戻りつつある。


 そうした状況の中、この秋冬に話題を集めるような新製品が各社から発売されることに、業界関係者として市場活性化のための明るい材料として期待を寄せているのは記者だけではないだろう。


 実際、バラエティショップやドラッグストアの売り場を見ると、既存のブランドだけでなく、国内外問わず、あまり聞き覚えのないブランドが所狭し陳列されており、楽しそうに商品を選んでいる若い女性の姿を多く見ることが出来る。コロナが収束した今、コロナ前のように自由に外出が出来るようになり、改めて化粧行為の大切さと楽しさを再認識した生活者にとって、それらの店頭はとても魅力的に映っているのは言うまでもない。



■導入ターゲットを明確に、新製品の魅力を伝えきる


 そもそも新製品は、市場や生活者の求めているものを把握・分析し、そこに新たな処方技術や成分を加えられているため、話題を集めやすいのは間違いない。しかし、その新規性や利便性を生活者に十分伝えることが出来なければ、その魅力は半減してしまう。


 だからこそ、生活者と対面で直接コミュニーケーションを取ることが出来るお店のスタッフやメーカーの美容部員が重要になってくる。もっと言えば、新製品の魅力を伝えるべきターゲット(顧客層)を明確にして、そのターゲットに合った言葉や取り組み等を通じて伝えていかなければならない。そして、その時に「肌に直接触れる活動」で肌に塗布した時の感触や香りを体感してもらうことも欠かせない。


 そしてコロナ禍の数年間、それら「肌に直接触れる活動」がしたくても出来ない状況にあったことも考えなければいけない。何故なら肌に触れること自体にスタッフも美容部員も、そして生活者も遠ざかっていたことでどこかで身構えてしまう心理が生まれてしまっているのではないのか。


 そう考えると、改めて「肌に直接触れる活動」を通じてコミュニケーションを取ることが重要であり、それが専門店流通の強みなのと同時にお店としての差別化にも繋がることで、それが新製品をより多くの人に使ってもらうことで喜んでもらうことにも繋がる。当然、メーカーもそれは想定内のことであり、昨年から美容部員に対して店頭活動における教育に力を入れている。それはお店も同じで、独自の社員教育だったり、メーカー協力のもとスタッフの教育に取り組んでいる。


 繰り返しになるが、化粧品市場は、コロナによる影響から動きが止まっていた。その市場を活性化していくために新製品は重要な鍵を握るものの一つであることは間違いない。それならば、新製品の魅力を一人でも多くの生活者に伝えきることが必要で、そのためにはスタッフや美容部員に対する教育を実施すること、そしてお店毎に異なるターゲットを明確にして、そこにどう伝えきっていくか、いち早くその道筋をつけていくかがお店やメーカーの経営にも、さらに市場を活性していくうえでも重要なポイントになると思える。

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