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【日本商業新聞 2026年1月19日号】化粧品「価格別カスタム」進む

  • 日本商業新聞
  • 52 分前
  • 読了時間: 3分

原材料・物流・人件費など様々なコスト増による物価高の影響は、化粧品の選び方にも大きな変化を及ぼしている。昨今、化粧品の揃え方の潮流として、シリーズ使いから好きなアイテムをカスタマイズする「化粧品のカスタム化」が進んでいたが、そこに物価高が加わり、ここ数年は価格面におけるカスタム化が進んでいる。娯楽や趣味といった自分にかける投資が以前よりも厳しい状況にある中で、化粧品専門店においては、これまで以上にお客様のライフスタイルに寄り添った提案で、いかに自店で美類を揃えていただける環境をつくりあげられるかが重要になる。(中濱真弥)



■物価高で家計厳しく


ここ数年続く〝値上げラッシュ〟は、残念ながら2026年度も続く見通しとなっている。2025年は主要食品メーカー195社が、家庭用を中心とした飲食料品合計2万609品目を値上げする記録的な一年となったが、2025年よりペースは鈍化するものの、今年も約1万5000品目の値上げが予測されており、原材料・物流・人件費など様々なコスト増が価格に転嫁されるなど持続的な値上げは続く。


そうした中で注目されるのが〝家計のやりくり〟だ。住友生命保険が発表したデータによると、ひと月あたりの生活費は約1万円、年間12万円の生活費が上昇。内訳は食費が91.3%と最も多く、電気代(61.5%)、日用品(45.8%)、水道・光熱費(39.0%・電気以外)と続く。


また、家計をやりくりする中で「減らしたもの」は、被服費(洋服など25.6%)、趣味費(24.8%)、交際費(22.9%)、日用品(22.0%)となり、お小遣いでみると月に1万4259円減となるなど、娯楽や趣味といった〝自分にかける投資〟が以前よりも厳しい状況にある。


化粧品においても動向は顕著で、「化粧品選びに失敗したくない」という消費者意識の高まりにより、効果や機能性が重視される高価格アイテムは伸びているものの、それ以外のアイテムについてはランクダウンやプチプラに移行するなど、価格面での〝美類のカスタム化〟が進んでいる。



こうした状況下の中、福山に拠点を置く化粧品専門店のLOOKは「(給料の)手取りは増えない、一方で物価高は続くという厳しい社会情勢において、高級化粧品を買える(揃えられる)方はそんなにいないと思うのです。高くて良いものは当たり前。これからの時代は、手ごろで良い商品を、きちんと使用量を守っていただきながらも、無理なく継続できる商品をお勧めすることが私たちの役目だと感じています」と言及する。


要するに、一人あたりの投資額が減少している今、化粧品専門店においては、売上を上げていくことはもちろん重要ではあるが、その一方で、お客様が無理なく化粧品を使い続けているかどうか、購入品目が減っていないか、離店率は増えていないかなど、いま一度顧客分析を行うと同時に、いかに「自店で美類を揃えていただける環境をつくりあげていくこと」が

益々重要になってくると感じている。


そこでLOOKでは、顧客が他店に流れないよう、しっかりと囲い込みを行うべく新たな取り組みを開始。その提案が、カテゴリー別に価格と内容を一覧にした〝メニュー表〟の作成だ。



■無理なく継続できる提案を


専門店が抱える課題のひとつに「高い商品を勧められるのでは…」というお客様の〝警戒心〟がある。LOOKでは、そうしたお客様の警戒心を取り除くために、低価格アイテムから順に商品内容がひと目で分かるメニュー表を作成。


メニュー表を通して、例えば「美容液は効果の高いものが欲しいが、洗顔は買いやすいものを」というように、お客様自身が自分のライフスタイルに合わせて商品を選べるようになり、その結果、お店が推奨する接客ではなく、お客様自ら商品を選ぶ接客を確立。メニュー表を介した提案によって、「逆にお客様から商品のことを尋ねられる機会が増えた」という。


物価高の影響により、化粧品選びもこれまでとは違った動きが見られている。いま一度、自店の提案方法を見つめなおす時期にきているのではないだろうか。

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