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【日本商業新聞 2026年1月12日号】高級化粧品ビジネスとは

  • 日本商業新聞
  • 6 日前
  • 読了時間: 4分

先日、専門店の経営者との会話の中で「昨今、化粧品のトレンドをはじめ市場の流れは一段と早まっているが、生涯顧客の育成を根幹に置く高級化粧品ビジネスにおいては、ロングセラー商品に繋がるモノづくりと、それに付随するマーケティングが必要だと感じている」という言葉が気になった。要は、時代に合わせた取り組みは必要ではあるものの、忘れてはならないのは、専門店が軸足を置く高級化粧品ビジネスとは「時代を創っていく存在でなければならない」ということだ。短期的な視点ではなく、長期的視点でのモノづくりとマーケティングが今求められている。(半沢健一)



■生涯顧客育成を根幹に


まずマーケティングとは、顧客や市場のニーズを理解し、価値ある製品やサービスを創造・提供する「売れる仕組み」であり、特に消費者に商品の価値を伝えて拡げていくための大事な取り組みといえる。


その中でインスタやラインなど、SNSを使ったマーケティングは欠かせないツールとして成長しているだけでなく、趣味や関心事を通じてのコミュニティを形成したり、企業が情報の共有や発信にも活用するなど、「人と人」「人と商品」をつなぐツールとしても、とても重要な役割を担っている。


例えば、消費者が化粧品を選ぶ際、配合成分や効果、使用感に関する情報や口コミを参考にしながら購入を決める消費者は年々増えており、それら情報の取得源はSNSが中心となっている。ただ、どれだけ良い商品であっても、その魅力を消費者に伝えることができなければ売上は伸びていかない。


しかし、たとえ優れたマーケティングであっても、消費者が商品の品質や機能に満足できなければ、一過性に終わってしまうのも事実である。だからこそ、消費者の支持を集め続けられる「商品力」、そして効果的な「マーケティング力」の2つの軸が揃っていることが大事だと言える。


また良い商品とは、長年消費者に愛され続ける商品であり、つまり「ロングセラー商品」でもある。これは高級化粧品にビジネスの根幹に置く専門店にとってなくてはならない存在だ。



■長期的マーケとモノづくりを


今の化粧品市場の流れとして、成分トレンドの移り変わりが年々早くなっていることや、消費者ニーズが多様化していることを背景に、長期視点の取り組みには、それ相応の経営資源を要する。しかし、消費者に長く愛され続けるロングセラー商品の存在は大切で、企業に対する期待感やブランド価値を高めるために欠かせないものであり、専門店においてはお客さまを固定化していく大きな武器でもある。


その良い商品、ロングセラー商品を生みだすために何が必要なのか。それは、やはりその商品にしかない機能や魅力を明確に強く打ち出したモノづくりと、消費者のブランドや商品に対する認知や信頼を積み重ねていく長期視点でのマーケティングの2つをバランス良く掛け合わせた活動であり、それが多くのファンを増やしていくことにつながっていく、そう記者は確信している。


メーカーにとって、消費者ニーズやトレンドの移り変わりのスピードが益々早くなっている市場環境で、長期視点でのモノづくりやマーケティング活動がとても難しくなっていることも十分理解している。ただ、それでも長期視点の取り組みは「商品を育てる」「ブランドを育てる」という専門店の化粧文化に長年根付いていた原点ともいえる考え方である。消費者の化粧品に対する選択眼が厳しくなっている今、改めてこの考え方が重要な意味を持つ。


また、国内市場では韓国や中国をはじめアジア諸国のメーカーの新規参入が増えており、さらにメーカー各社がグロバール化に取り組んでいる中で、ジャパンビューティの強みや存在感を発揮することにもつながっていく。市場の変化に合わせてその時のニーズやトレンドにスピーディに対応した商品施策やマーケティングは当然必要だが、その一方で長期的な視点での取り組みも今後もっと大切になる。その時に欠かせないのは、バランスの良い「商品力」と「マーケティング力」2つが揃った活動である。

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