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  • 日本商業新聞

【2022/7/11 日本商業新聞】専門店から〝注目大〟 資生堂「パーソナルカラー診断」

 コロナ禍で客数が減少した化粧品専門店において、外からも内からもお客様を呼ぶ新たな顧客創出の手段として今、資生堂の「パーソナルカラー診断」が大きな注目を集めている。また同社では、「ワタシメイク分析」といったデジタルコンテンツも充実しており、こうした取り組みを「パーソナルカラー診断」と同じくリアルに連動することができれば、店頭における〝コト活動〟において新たな価値創出に繋げることができるのではないかと期待している。



 ■「コト活動」に新価値創出


 行動規制の解除により、完全とはいえないものの徐々に人流も戻りつつある化粧品専門店。しかしながら、ある専門店では「2019年に比べ回復傾向にあるものの、依然として客数減を補うほどの回復には至っていない」と話すなど、やはり人流の多い都心部及び中心市街地で展開している店舗はまだまだ厳しい状況が続いていることが挙げられる。そこで、今後専門店が目指す方向性としては、「コロナによって一度離れてしまったお客様をいかに戻していくか」という課題に加え、「新しいお客様との出会いをどう増やしていくか」という〝来店客数を増やす活動〟が焦点になっていくだろう。


 そうした中で、「新規獲得に大きな効果が期待できる」として、今多くの化粧品専門店から注目されている活動が、資生堂が展開する〝パーソナルカラー診断〟だ。



■パーソナルカラー診断


 「パーソナルカラー診断」は、タブレットで簡単に診断が可能なタイプと、パーソナルカラー検定の資格を持つ人による本格的なカラー診断の2つのパターンがあり、後者の人を介したパーソナルカラー診断では、まず「髪・肌・瞳の色」をみて「イエローベース」か「ブルーベース」かを判断。


 更にカラードレープを使用し、「明度」や「彩度」、「質感」などを考慮しながら、「イエベ春」「ブルべ夏」「イエベ秋」「ブルべ冬」と4パターンに分類することで、その人に合ったカラーを提案すると共に、パーソナルカラーを取り入れたメイク提案を行うことで肌や顔色をより美しくみせることができるというもの。


 実際に、パーソナルカラー診断に力を入れているお店の方に話を聞くと「お客様は自分に似合う色を知らない方が殆どで、カラー診断だけでも大変喜んで頂けるが、その後に『あなたに似合うメイク提案』をして差し上げると、よりお客様の感動度数は上がる。当店では、パーソナルカラー診断は自店でしかできない〝価値創出の活動〟として位置づけており、今後はスタッフ全員が取り組める体制まで作り上げていきたい」というように、今後強化していく活動のひとつとして多くの専門店から注目を集めている。


 一方で、パーソナルカラー診断を早い段階から取り入れている某専門店経営者は「確かにパーソナルカラー診断は新規獲得に高い貢献度を誇っているが、当店では比較的若い方が多いこともあり、新規は獲れるが2次来店に繋がりにくいという課題も上がってきている。今後は、『新規から再来にいかに繋げていくか』という活動へと落とし込むことができれば、更に強い活動ツールとして高めていけるだろう」と、次なる課題に向け取り組んでいる。


 このように、コロナによって客数が減少した専門店にとって、資生堂が展開する「パーソナルカラー診断」は、外からも内からもお客様を呼ぶ〝コト活動〟として大きな役割を担っていくのではと感じている。また資生堂では、「パーソナルカラー診断」以外にも、「ワタシメイク分析」や「眉メイクコンテンツ」といったデジタルコンテンツを有しており、これをリアルと連動して取り組むことができたならば、もっと店頭におけるコト活動への価値創出に繋げられるのではと考える。資生堂の今後の展開に大いに期待したい。

(中濱)


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