top of page

【日本商業新聞 2026年2月23日号】コーセー 記者ミーティング開催

  • 日本商業新聞
  • 2月25日
  • 読了時間: 6分

コーセーは、「2025年12月期/記者ミーティング」を2月12日、東京中央区のコーセー本社で実施。決算の概要をコーセー上席執行役員・松浪慶太氏が説明した後、「2026年12月期の事業別戦略」をコーセーホールディングス代表取締役社長・小林一俊氏が、「稼ぐ力と資本効率の向上・還元方針」を同社常務取締役・澁澤宏一氏が説明。そして、「新・研究体制 モノづくり新価値創出の取組み」をコーセーホールディングス商品統括部門研究統括グループ統括グループ長兼コーセー執行役員/商品本部研究所長・相良圭祐氏が、「AIとデータを駆使した『価値創造IT』の確立」をコーセーホールディングスエンゲージメント推進部門IT統括グループ統括グループ長兼コーセーエンゲージメント推進本部情報統括部長・緒方久朗氏が説明した。



2026年12月期の事業別戦略 コーセーホールディングス代表取締役社長・小林一俊氏



コーセー事業は、直近数年間、特に日本市場で売上を伸ばしている。日本での躍進を支えたのが「DECORTÉ」「雪肌精」といったスキンケアブランドだが、一方でメイクアップブランドは競争激化で思うような成長を遂げることができなかった。


また、売上成長とともに2025年度は収益性の改善にも取組み、日本における抜本的な費用構造の見直しや中国事業の再編を経て収益性は大きく改善した。


・4つの方針で事業推進 -「稼ぐ力」の向上を目指す


こうした状況を踏まえて、コーセー事業においては、①「DECORTÉ」の日本エリアにおける持続的な成長、②「DECORTÉ」に次ぐ、第2、第3の収益の柱の確立、③魅力的なメイクアップブランドの構築、④グローバル展開の推進という4つの方針を掲げ事業を推進する。また、引き続き、事業全体で「稼ぐ力」の向上にも取り組む。そこでそれぞれの方針の具体的な取り組み等をお話しする。


1つ目の、①「DECORTÉ」の日本エリアにおける持続的な成長について。リポソームシリーズの大ヒットや話題性ある商品のローンチにより、この5年間で国内の顧客数は約3倍、若年層は約5倍に拡大した。2026年度の戦略テーマは、その勢いの継続に加え、サイエンスに裏打ちされた機能的活動、高品質イメージを確立させること。若年層の顧客数拡大を維持しつつ、今後はAQやリポソームシリーズを通じてエイジングケアの訴求を高める。これにより購買力の高い40代以上の顧客層を取り込み、強固な収益基盤を築いていく。


2つ目の「DECORTÉ」に次ぐ、第2、第3の収益の柱の確立として、「雪肌精」「ワンバイコーセー」を重視。「雪肌精」は、戦略の中心にブライトニングシリーズを据え収益の要とする。今後はECや流通との取り組みを通して顧客開拓を進め、高機能な新商品の投入でマス市場でのシェア拡大を目指していく。

 昨年登場した「雪肌精BLUE」も、プレステージ市場への導入を国内外で進め、ブランド価値の引き上げる。「ワンバイコーセー」は、技術力の高さと確かな効果実感が支持を集め、高い成長を維持。2026年度は、得意とする高機能美容液をフックにクロスセルを推進する他、会員プログラムの活用によるロイヤル顧客化を推進する。


3つ目の、③魅力的なメイクアップブランドの構築について。競争が激化する市場でも確たるプレゼンスを発揮すべく、各ブランドの強みとなるカテゴリーに投資を集中させ、売上高を再び成長軌道へと移行させる。


「ジルスチュアート」は、ヒーローアイテムの育成とギフト需要の取り込みに注力する。「アディクション」は、デジタルとリアルを融合させ、若年層との接点を拡大。「ヴィセ」は「ネンマクフェイク ルージュ Ⅱ」の発売を皮切りに年間を通じたプロモーションでシェアを拡大。「メイクキープ」シリーズは、「メイクキープ ミスト」の圧倒的なシェアを維持しつつ、新カテゴリーの開拓と成長を目指す。


そして4つ目の④グローバル展開のさらなる推進だが、中国事業2025年度の黒字化を達成したが、今年度はさらなる収益性の改善を図る。CRMを活用した需要創出や効果・効能のエビデンス発信等を高め、外部環境に左右されない筋肉質な事業体制を目指す。


また、トラベルリテール事業だが、中国事業の安定化を図るとともに、日本での販売強化や欧米市場の新規開拓を推進。ホールディングス体制への移行に伴い、グループシナジーを発揮していく。米国事業はECを起点に、現地のプレステージ市場でのブランド認知を高め、新たな成長エンジンへ育成する。


続いて、グループ各社の取り組みについてお話しする。アルビオンは長年の強みである集客力を生かし、店頭での着実な顧客づくりと一店舗あたりの収益性の強化を進めてきた。昨年はインバウンド需要が減少したが、顕著な内需が下支えして通期の売上成長を維持。2026年度からは、統合IDによる会員プログラムとEC販売を開始、メーカー主導の顧客アプローチを本格化する。リアルでの接客の強みにオンラインの利便性が加わるだけでなく、今まで接点が得られなかった顧客層を店頭に誘導し、販売活動を活性化。リアルとデジタルの融合で、より多くの顧客層へブランド価値を訴求し、新たな成長機会を創出していく。


コーセーコスメポート事業は、引き続き「カテゴリー№1アイテム」づくりを通したブランド売上・シェアを拡大。市場競争力のある4大ブランド、「ソフティモ」「クリアターン」「サンカット」「グレイスワン」にマーケティング活動を集中的に実施。原料高騰等の環境変化に対して高付加価値商品の投入でコスト増を吸収し、営業利益率10%水準を維持する。


タルト事業は、北米の消費センチメントが悪化する中でも現地通貨ベースで前年並みの売上を維持。コンシーラーに加え、マスカラでも全米シェア№1を獲得。ECチャンネルが好調に推移しており、強固なブランド力を発揮している。2026年度も厳しい市場環境が予測されるが、積極的なマーケティング投資で北米でのプレゼンスを確立させる。主力商品のシェアの向上を図るとともに次なるドライバーの育成に注力、ブランドとしてのカテゴリーポートフォリオを拡充。さらにインフルエンサーや、異業種企業とのコラボレーション等を展開、SNSでの話題づくりを通じて新規顧客を獲得する。


続いてピューリ事業について。タイ国内における市場プレゼンスをさらに高いステージに押し上げていく。また、日本を含むアジア市場への本格進出を進め、グローバル化を加速させて新たな収益の柱として育成する。


そして、今年7月に稼働を開始する南アルプス工場の投資効果については、グループの中長期的な成長を支える生産能力の拡充に加え、注力カテゴリー・スキンケア商品の製造を集約する機能も担っている。工場ごとに分散していた投資や維持管理費を抑制し、生産体制を最適化。内製化による外注コストの削減を進め、利益率を高めるとともに、DXやロボット活用で高度な自動化を推進し、生産性を大幅に改善させる。また、製造期間の短縮による在庫圧縮を実現し、資本効率の向上を図る。


さらに持続可能な生産体制の構築も推進。人・環境に配慮した生産環境や豊かな水資源をブランド価値につなげるとともに、将来の労働力不足にも対応できる盤石な生産基盤を整えていく。

コメント


bottom of page