【日本商業新聞 コラム】-771- 名誉欲
- 日本商業新聞
- 10 分前
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これほど狂った大統領は居ないが、名誉欲がそのデタラメな行動の原動力になっている。自画像を刻印した記念硬貨を出してみたり、国の誇りでもあるケネディセンターの名称に自分の名前を加えてみたり、ワールドカップの表彰台から降りなかったり、例を挙げればきりがないが、最もあつかましいのはノーベル平和賞をほしがっていることだ。
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戦争犯罪人にその最も真逆な賞を授けることなど常識的には言語道断だし、分別心のある人たちが許すはずも無いが、もらって身を引いてくれるのなら、ノーベル賞の本部も冗談で検討してみたらいいと思う。
辞めてくれることが世界の平和に繋がるのならば、この皮肉な発想も筋が通るかもしれない。トランプにはまことしやかなことを言っておいて、退位後に真意を暴露して、世界中の笑いものにすればいいし、ノーベル賞の歴史に傷がつくと考えれば、遡って賞を剥奪すればいい。だまし討ちなど彼のやってきた悪辣な行為と比べれば些細な仕返しでしかない。
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トランプは名誉はお金で買えるもの、いや買うものだと思っている。だから政治もディールの一環で、戦争や政争で負けてもその残骸から火事場泥棒的に富をほしがる。最初はハゲタカで、終わりはハイエナ、そこには人間的な暖かさや徳は微塵も存在しない。そんな人間が歴史に名を残したいなんて、本当にお笑い種(ぐさ)なのだが、世界はまだこの男を葬ることが出来ない。アメリカ国民に自浄作用が期待できないのなら、ノーベル賞の威厳にかかわることだが、この荒療治も苦渋の選択だと思う。
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ところで議長という名誉職も福岡県議会ではお金で買えるようだ。名誉だけなのか実利も伴うのかわからないが、政治とカネの問題は日本の政治の社会においても相変わらず蔓延っているようで、トランプだけを笑うことができなくなってしまった。
企業の人事においてポストはお金で買えないが、目立ち始めたジョブ型採用の弊害を考えれば、売り込んでくる人材やトップのコネで集められる社外取締役にあらかじめポストをお金で買わせるというのも面白いアイデアかもしれない。
人材育成という言葉が死語となり、企業は完成した(と思われる)人材や別の分野で成功体験のある人材をほしがるようになっているが、採用する側の評価眼は疑わしく、ハズレの人材のほうが圧倒的に多く、大金をドブに捨てている。リスクは採用する側だけでなく、採用されるほうも持つべきと言うきわめて公平な考え方でもある。
お金で買ったポストなら必死に頑張るだろうし、企業の活力も業績も上がるにちがいない。逆に何の実績を残せなくても最初に払ったお金が違約金になるのだから、胸を張って退社すればいい、ということになる。
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トランプほど見苦しくは無いが、日本でもかつてなかなか辞めていただけなかった首相がいた。民主党政権のときの菅(かん)さんだ。「花道」が用意されなければ辞めないと言い続けたが、この人も名誉欲の強い人だったのだろう。現女性総理も濡れ手で粟で掴んだ名誉職を簡単に手放すとは思えない。SNSの追い風が止み、国民から見放されても、素直に下野するとは思えない。自分可愛さに徹する人を仰ぐとろくなことが無い。
(団塊農耕派)



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