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【日本商業新聞 コラム】-759- 自転車は車両だそうだ

  • 日本商業新聞
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

世知辛い世の中になってしまった。意地悪な法律が施行されて自転車に緊張しながら乗らなくてはいけなくなった。これまで自転車だからできた便利なことが出来なくなる。



誰も自転車を道交法で言う「車両」だとは思っていなかった。「足」だったのだ。


「足」ならある程度自由にさせてほしかった。

おまわりさんの目を恐れて荷物も子どもも運べず、傘もさせず、歩道や交差点では遠慮が要り、ノロ過ぎて車道で車に迷惑をかけ、結局危ないし、面倒だし、歩いたほうがいいと思わせる…、そんな下心を感じる陰険な法令だ。



そもそも危険な走行をする輩(やから)を懲らしめるための法令なのだが、それなら事後制裁で十分。自転車事故でもこんなに重罪になるんだと思わせる何らかのペナルティを用意すれば良く、それは立派な事故抑止力になる。



かつてシートベルトの装着を義務付けたような〝深情け〟、いや〝余計なお世話〟はありがた迷惑なのだ。


百歩譲ってこの法令に魂を入れたいのなら、がんじがらめのナワを緩くすることだと思う。先ずは飲酒走行の禁止とスマホの取り上げだけを実行すればよく、それ以外はこれまで通りの灰色で良いと思う。通行人や車に配慮し、これまでもこれからもマナーを守れる人に過剰な正義の道を説くのはまさに「釈迦に説法」で、失礼千万でもある。

定着していない今ならまだ間に合う、挙げた拳(こぶし)を降ろしてほしい。



道交法に温情は無く、情け容赦ない。〝オイコラ〟のネズミ捕りの伝統があらゆる交通行政に垣間見られ、市民は安心して運転が出来ない。


逮捕することが交通事故の低減に繋がると警察は自画自賛するが、捕まって反省する人など皆無で、運の悪さを嘆くだけ。効果が無いのだからそろそろネズミ捕り担当の警官の部署替えを考えていただきたいものだ。



最大の被害者は後期高齢者だ。どうやら警察は老人からクルマの免許を取り上げたいようだ。


その姿勢はあからさまで、認知症のチェックなど更新申請のハードルを高くし、また事故を起こしたときの再交付が簡単にすまないようにするなど、更新を諦めさせたい下心に満ち満ちている。高齢者の事故が多発し、その対策に腐心するのはわかるが、信長流の「運転やめてしまえ」の切捨て論は余りに無慈悲で、家康流の性善論に移行できないものかと思う。



田舎に住む後期高齢者にとってクルマは必需品で、免許を失うことは死活問題なのだが、警察にその種の配慮は無い。管内の事故数を少なくしたい、それが自分たちの使命、そう考えてひたすら老人を追いつめる。


その老人がクルマを失えば、あとは頼りになる移動手段は自転車と言うことになるが、そんな窮状に背を向け、最後の砦たる自転車にも制約を付けようとするのだから、トランプさん顔負けの悪辣さだと言わざるを得ない。



昔、地方の駅の近くにはどこにも安価な自転車預かり所があって、そこには必ず頑固だけど親切な親父が居てパンクやちょっとした故障は直してくれた。雨が降ってきたときに困るだろうと言って傘を立てる治具を取り付けてくれたりもした。今なら危険運転幇助の罪でおナワになるかもしれない。

(団塊農耕派)

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