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【日本商業新聞 コラム】-756- へつらい外交

  • 日本商業新聞
  • 12 時間前
  • 読了時間: 3分

ブッシュ大統領の前でプレスリーのまねをしてはしゃいだ小泉元首相の姿を見て、政治とは何と哀しいものかと思ったものだ。



アメリカに生命線を握られている以上、アメリカの機嫌を損ねてはいけない、そんな閉塞感、不条理意識は今も続いている。暗澹たる気持ちになる。


でもこれまでのようにアメリカがまともな国であれば、そんな屈辱にも耐えられるが、いまのトランプ率いる不道徳なアメリカの言いなりにはなりたくない。こんな男のご機嫌取りなどまっぴらごめんだ。



そんな中での高市総理の訪米だった。


関税の問題やイラン戦争などがあって、とても難しい外交だということはわかるが、開けてみれば見たくもない光景の連続だった。その内容は口外するのもいやなので書かないが、「媚びる」ことがこんなにも卑しく、哀しく思ったことはない。外道の限りをつくして世界を敵に回している裸の王様にへつらってしまったことが今後の日本の国益にどれだけマイナスになるか、検証してほしい。



擁護する人も居るだろう。拍手を送る人も居るだろう。衆院選大勝の原動力となったSNS軍団や右翼系のみなさん、女性総理と言うだけで守ってあげたくなる優しい人たち、そしてアメリカの機嫌を損なったら日本は滅びると本気で思い込む人たちだ。


みなそろってトランプの牙城に風穴を開けるには止むを得ない戦術だったと思っている。おべっかも嬌声も抱擁も日本のためを思ってしたことだと庇う。しかし団塊農耕派は認めたくない。太鼓持ちや安物の芸者のような振る舞いは、それによって政治の世界の慣習やしがらみを打破出来たとしても行き過ぎていると思う。



感情をかみ殺し、事なかれを善としてきた歴代の日本の総理大臣と比べ、庶民の視線でフランクに動く高市さんは素晴らしいが、無防備なのは困る。台湾有事の発言も慎重さが足りなかっただけのこと。リップサービスのつもりで発した軽はずみな言い回しがもたらす不幸をとっさに計算できなかっただけのことだ。


小泉さんは拉致問題で北朝鮮の首領サマと会ったとき、にこりともせず終始怒ったような顔をしていたが、高市さんもトランプの前では凛としていてほしかった。バイデン前大統領を揶揄する悪意に満ちた肖像画を見せられてもトランプに笑みしか返せなかった高市さんには出来ない芸当かもしれないが。



いずれトランプは史上最悪の大統領として断罪されることになると思う。そのとき権力に負けてトランプににじり寄った人たちにも逆風が吹くはず。戦争犯罪人たるトランプがA級戦犯なら、その手下どもはB級戦犯、イランへの攻撃が国際法に反しているかどうかさえ口をつぐんだ日本はさしずめC級戦犯くらいは覚悟したほうがいいだろう。



このコラムが出る頃、世界はエネルギー危機を迎えているかもしれない。たった一人の無軌道・強欲な男が作った傷跡はコロナ禍よりも大きくなりそうだが、何故そうなってしまったか反省しなくてはならない。


アメリカ、ロシア、中国のトップが揃いもそろって覇権主義者だったことが主要因だが、彼らを裸の王様にしてしまったそれ以外の国の責任も大きい。いまだアメリカのポチから脱却する手段を見出せない日本も含めて。

(団塊農耕派)

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