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【日本商業新聞 コラム】-753- お見合い

  • 日本商業新聞
  • 31 分前
  • 読了時間: 3分

結婚しない若者が増え、それに伴い「適齢期」という言葉が死語になっている。


「妙齢」も「寿結婚」も同じで運命で、口に出した途端、パワハラ・セクハラのそしりが待っている。要するに彼ら彼女らの人生にお節介をやいてはいけないのだ。今はそんなつまらない時代なのだ。



でもたかだか半世紀前にはお見合いの斡旋に生きがいを感じるお節介ババァがたくさん居た。


団塊農耕派が小学生のころ「愛ちゃんは太郎の嫁になる」という歌謡曲があったが、この歌は大好きな愛ちゃんが「でしゃばりオヨネ」に手を引かれてライバルの太郎のところに嫁いでいく光景を遠巻きに眺める次郎の切ない気持ちを歌っている。この歌の影響でお見合いを仕掛ける老婆はみな悪人のように思っていたが、それが偏見であることをその後のモテナイわが人生の中で悟った。お見合いには一定の社会的使命があることを。



数は少なくなったが、いまだに善意のお見合い斡旋ババァは存在する。団塊農耕派の中学の同級生もその一人で、やたら仕掛けてくるのでうっとうしがられている。


でも嫁不足や後継者不足に悩む農家にとっては神様のような存在だと褒め称える人も居る。昨今の結婚相談所やマッチングアプリのように「自己責任ですから」なんていう薄情なことは言わないし、徹底的に面倒をみるようだ。ノーと言われれば説教までするらしい。もちろん紹介料など取らないし、成立すれば心から喜んでくれるという。


裏方に徹し、でしゃばりオヨネのように結婚式には出ないが、ご祝儀を包むので赤字になる。でもそんなことはどうでもいいらしい。成立させた組数の多さと離婚の少なさが自慢で、それが仲人の格だと豪語する。ちょっと気弱な金持ちの家の子がお節介ババァの最適な獲物だとうそぶく。



少子化対策は喫緊の課題で、国も遅まきながら種々の対策を練っているが、その全てが根本的な解決策でなく、一時しのぎにすぎない。


分娩費も養育費も高校の授業料もタダになるらしいが、それらはどれも既婚者に向けた恩恵で、未婚の若者は蚊帳の外におかれている。いろいろな生き方が尊重される現代社会で、〝結婚のススメ〟を国が推進したら批判は免れないが、今のやや右傾化した政府なら、強行突破できるのではないかと思う。蛮勇を奮って欲しいものだ。


その手段として「お節介ババァの増員」は有効だと思う。同じような年恰好の人が任命される制度に民生委員というものがあるが、これよりずっと有益だと思う。



ところで街の化粧品専門店の奥様こそお節介ババァには適任かもしれない(お節介奥様と言い直します。ひょっとしたらすでにその役を果たしている奥様も居るのではないかと思います)。化粧品を選んで差し上げるスキルとお婿さんを紹介するスキルはどこか共通するところがありそうだ。



次世代の化粧品の使命はクオリティオブライフ。外面的な美しさはもちろんのこと、食生活から生活態度、そして心の安寧まで含めた総合的な提案が求められるが、そこにお婿さんを加えるだけのことなのだから奥様の人間力からみれば容易なことだと思う。その眼力の確かさは、化粧品会社の有能な営業マンを自店の後継者にしたり、本社への異動を画策したりした過去の業績(行跡)がすでに実証している。

(団塊農耕派)

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