top of page

【日本商業新聞 コラム】-739- 愛子内親王とラオス

  • 日本商業新聞
  • 12 分前
  • 読了時間: 3分

愛子内親王がラオスへ行かれると言う。なぜラオスかはわからないが、きっと学ぶことは多いと思う。ただ惜しむらくはその時期で、中国資本に蹂躙されている今のラオスより、貧し

いけれど子供の目が輝いていた以前のラオスを見てほしかった。



私が最初にラオスの地を踏んだのは20世紀の最後の年だった。首都ビエンチャンに作った美容理容の職業訓練校の入学式に出るためだった。お湯が出ないだけでなく、停電が当たり前の環境だったが、ラオス各地から集まった生徒の目は、就業できる喜びに満ちていた。ちなみにこの時の一期生の中の一人は今ラオスでも指折りの美容師になっている。


その1か月前、時の総理大臣小渕恵三さんがラオスを訪れ、経済支援を約束しているが、その駆け足外交ぶりはいまだにラオス国民の語り草になっている。ラオス料理を堪能する時間が無いと言う小渕さんにお店が用意したのは、平たいザルに数種の料理を乗せた、いわゆるプレートランチだったが、それが意外にもラオスで人気になり、その後『小渕ランチ』と称していくつかの料理店の定番メニューになっている。



その後私は毎年のようにラオスに通ったが、2010年には秋篠宮様が眞子様を連れてラオスを訪れた。国営ラオス航空が重責を負うことになるが、悲しいかなこの会社の飛行機にはファーストクラスどころかビジネスクラスもない。そこで臨時に前の方の数席をつぶして特別席をつくって対応した。ロシアと中国で使い古してラオスに払い下げられたオンボロ飛行機だったことを秋篠宮様は知っていただろうか。ちなみにこの改造席は殿下が帰国後も長く取り壊さず、ラオスの著名人が競って使っていたそうだ。


 

その後皇太子ご夫妻(今の天皇陛下)がラオスを訪れたが、この時私は「スタディツアー」と称して資生堂の社員たちと共にラオスに居た。親衛隊気分だったが、円高の日本記録にも恵まれて大名旅行を満喫し、皇太子よりも高いホテルに泊まってしまった。


愛子内親王の訪問はそれ以来のようだが、聞いてもらえるのなら提案したいことがある。通訳の推薦である。おそらくラオス国立大学日本語学科のエリートが務めることになると思うが、私はイエンと言う35歳の女性を推薦したい。彼女は小学校を5年生までしか行っておらず、日本語を独学で学んでいる。貧困から抜けるために必死に頑張ったそうだ。私と出会ったのは彼女が19歳の時だったが、それまでのどんな通訳より流暢に日本語を話し、日本のことを学んでいた。ラオス滞在時には必ずイエンがそばにいたが、それはラオスへ行く一つの動機にもなっていた。愛子様とイエンと言う組み合わせから愛子様の得るものは大きいと私は確信している。所属している国際NGOから宮内庁に持ち掛けようかとも思ったが、

一笑に付されるだけだと思い、躊躇しているうちに愛子さまは飛び立ってしまった。



そのNGOには岡田外務大臣(当時)や、安部昭恵さんなどが職業訓練校の視察に来たことがあるが、小渕さんや秋篠宮様のようにラオス国民の記憶に残らず、単なる表敬訪問に終わっている。愛子内親王にはラオスに是非足跡を残してほしいと思う。その手段としてイエンとの交流が極めて有効ではないかと本気で思った次第だ。

(団塊農耕派)

コメント


bottom of page