アルビオンは、3月8日午前10時、オンライン記者発表会を実施。「2021年度業績/2022年度方針」を説明した。
▼2021年度国内部門実績=営業企画統括部統括部長・渡辺省一氏▼2021年度国際部門実績発表および2022年度方針説明=常務取締役国際事業本部本部長・小林勇介氏▼2022年度方針説明=代表取締役社長・小林章一氏▼2022年度新製品計画【商品開発部】=商品開発部部長・福田博司氏/同グループ長・丸島陽子氏▼ALBIONの研究開発【研究部】=執行役員研究部部長・平井公徳氏/研究部素材研究グループ長・中島めぐみ氏がそれぞれプレゼンテーション。今号は「2022年度方針説明」(小林社長)を掲載する。
2022年度の方針を説明する。まず昨年度の振り返りから。全体の総合売上は前年比108.5%の443億3200万円、営業利益は17億8400万円。国内と海外では、国内が同106.2%、海外が同118.9%。国内は「アルビオン」が同99.8%、「イグニス」は同91.2%、「エレガンス」が同135.5%。営業本部を「営業部」「百貨店部」に分けると、「営業部」の日本人は同99.5%。外国人は同163.2%と増加。その結果、営業本部の日本人は同99.7%、外国人が同216.4%で、特に「エレガンス」が伸長した。
2022年度の基本方針は「日本における、日本人、あるいはローカルのお客さまづくりをしっかりやっていく」こと。日本人の、ローカルのお客さまづくりに大切なのは今年度発売する新製品や企画が大事であり、それについて触れたい。
まず50年弱共に歩んできた「薬用スキンコンディショナーエッセンシャル」のパワーアップを行い、「薬用スキーンコンディショナーエッセンシャルN」として5月17日に発売する。オーガニックハトムギから抽出したオイルを配合、肌を健やかに整えるハトムギの力を大幅にパワーアップした。
続いて「エレガンス」では、2月18日に「エレガンス グラヴィティレスマスカラ」を発売。つけていることを忘れるほどの軽さが特長のマスカラとなっている。勿論、これ以外にも沢山の楽しい新製品をはじめ、大型の新シリーズの投入を計画しており、是非楽しみにしていただきたい。
コロナも3年目に入り本当に世の中は暗いニュースばかりで、こうした環境の中で「お客様のために何が出来るのか」をずっと考えてきた。こんな時だからこそ、会社の利益ではなく、本当にお客さまに喜んでもらいたい、新鮮な驚きや嬉しい驚きを提供したい、そんなことを考えていた。
そこで、究極のプロモーションとして、「アルビオン フローラドリッププライムキット」を4月1日に発売する。内容は「フローラドリップ」(現品)に、「エクシアALグランドエターナルハンド」(同)、そして「エクシア ボディジェルオイル」(同)の2品を加えた計3品(2万7000円)をセットにして、「フローラドリップ」の価格、1万3000円の特別キットとして販売する。
勿論数に限りがあるが、こうしたアイテムを通して、一人でも多くのお客さまに本当に喜んでいただきたい。私共の利益とかそういうことではなく、お客さまに明るいニュースとして捉えてもらいたい、そんな一心でこの特別企画を考えさせていただいた。このキット以外にもお店さまに元気になっていただき、笑顔になっていただけるプロモーションを今年度以降、順次展開していく予定で、まだお話出来ないものばかりだが、是非楽しみにしていただきたい。
実は2020年度に創業以来初の営業赤字となり、お店さまには申し訳ないが来年7月から取引条件を一部改定させていただく。ただ、取引条件を一部改定で終わりという訳ではなく、そんな時でも何かお店さまの利益を増やすような施策を考えていきたい。
今年度のテーマは先程申し上げた通り「日本における、日本人、あるいはローカルのお客さまづくりをしっかりやっていく」ことに徹する。アルビオンはEC販売しておらず、リアルしかない。そこで何が大事かというと、私はやはりこの2年間出来なかったリアルの店頭での活動だと思う。
そこで昨年度、緊急事態宣言中のコロナ禍の中でお客さまへアンケート調査を実施。「ご興味ある商品は、店舗でスタッフのタッチアップによりお顔で試したいですか?」という質問に、「購入前には必ず顔で試して購入を検討したい」が27%、「顔で試してから購入を検討したい商品もある」が47%で、この2つで75%を超える。ということはコロナ禍ということもあるが、お客さまは店頭あるいは自宅で商品を買う前に試したいと思っていて、お客さまも活動を希望しているということが明らかになった。
ただ、一方で「出来れば店頭で顔では体験したくない」「店頭で顔での体験は考えられない」と回答した方もいる。そこへの対応として、感染症の専門医と一緒に「感染症予防対策マニュアル」を作成。既にお店さまに配布しており、今年度は積極的に活動を実施する。アルビオンという会社は広告で伸びたり、広告で発展してきた訳でない。あくまでも、お一人おひとりのお客さまに商品を実感いただく活動を通して喜んでもらい、口コミで売り上げを伸ばしてきた会社である。
その意味でも店頭活動は生命線であり、今年度は徹底的に活動にこだわる。勿論、感染対策をしっかり行いお客さまが希望された場合には、店頭活動やミスト活動も復活させる。
そして、お客さまづくりに関してもう一点、昨年度も説明したが、やはり会員さまの離脱を減らしていきたい。せっかく、会員さまになっていただいたのだから、一年でも長く会員さまでいてほしい。
もっと言えば、そのお客さまが年間での購入金額が幾らだろうとも、アルビオンを肌で実感してもらい、一年でも長く、アルビオンの会員でいていただくことが大事だ。ということは離脱していくお客さまを減らすことが一番重要で、会社としてそういうことを大事に仕事をしていきたい。
そしてこの後、少し研究部にも触れたい。秋田県にある白神山研究所に抽出研究棟が出来上がった。昨年度もお話したが、今後は熱や溶剤を加えずに植物が持つエネルギーをもっと原料に生かすことが出来る、亜臨海ジメチルエーテル(DME)抽出方法を数年間かけて開発した。この抽出方法を使って、植物が蓄えたエネルギーをより持った原料を開発する。なお、最初は一種類の原料から始めるが、将来的には種類を増やす。この方法で抽出した成分を配合した商品が出来るのは数年後になるかもしれないが是非楽しみにしていただきたいと思う。
また昨年度、沖縄県の浦真市に沖縄研究所を開設。南国固有の植物の原料化、あるいは海藻等を中心とした海洋系の化粧品原料の開発を目的としている。
ここで中国市場にも触れたい。11月11日「独身の日」というアリババの特別なセールの日がある。もの凄い売上を達成しているが、それでも多くの企業では1万円の商品にオマケを1万円とか1万5000円を加えて販売している。そのたった1日で300億円という売上を達成する企業もあるが、私は「これでいいのか」「こういうことをずっとやってっていいのか」いつも感じている。アルビオンは今後も大幅に売上を伸ばしたいという気持ちはない。無理することなく、普段通り、中国でもリアルの活動を通して、お客さまお一人おひとりに商品を実感していただき、お客さまを増やしていく、そんな活動を日本と同じように中国でもやっていきたい。
実は来年、中国の薬事法にあたる管理法が改定される予定で、中国市場で今日本で販売している商品シリーズを全て販売すべきかどうか検討している。そこで来年6月以降、一旦「薬用スキンコンディショナーN」をはじめ、「エクシア」「エレガンス」「イグニス」等の商品やシリーズを現段階で中国市場での展開を控えていきたいと考えている。この先数年間の動きを見ていかないとわからないが、ここは慎重に対応していく。ただ、中国にもお客さまはいらっしゃるので、中国市場向けの例えばスキンケア等を開発していきたい。
最後にSDGsに触れる。昨年11月から「アルビオンフィロソフィー」(神奈川県横浜市)において、化粧品容器の回収と再資源化の実証実験を実施している。スキコンの空容器を回収し、それを使ってのアップサイクルに繋げていければと考えている。勿論、将来的に他店舗での展開も検討しており、こうした活動を拡げていきたい。また、店頭で使っている紙の宣伝物、パンフレット、リーフレット等は全て再生紙、あるいは認証紙を使用している。店頭で商品を置くディスプレー台やテスター台も、なるべく再生アクリルを使用している。SDGsでもアルビオンとして、しっかり出来ることから取り組んでいく。
今年度のテーマはただ1つ、「日本における、日本人、あるいはローカルのお客さまづくりをしっかりやっていく」ことで、これに集中して取り組んでいく。今年度も皆さまから変わらぬご支援、ご協力承りますことをお願い申し上げる。(半沢)
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