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【日本商業新聞 コラム】-775- 規制マニア

日本商業新聞
14 時間前
読了時間: 3分

仕事などせずに閉じこもっていてほしい人はどこにも居る。


〈働いて×5〉の高市さんは余計なことを言って中国を怒らせてしまったが、政治家にはその存在自体がうっとうしい人も居る。


鳩山元首相などその典型で、衝動的に動くその軽さは思慮の浅い高校生並みだ。プーチンやトランプににじみ寄るイエスマンも同じ穴のムジナで、認めてもらうために無能なのに派手で過剰な忖度を繰り返す。政治家だけでない。偏ったと使命感に燃えて暴走する目立ちたがり屋は後を絶たない。


◇



化粧品の業界にもこの種のお邪魔虫がいる。潔癖症と欧米追随症候群を患っている比較的理知的な人たちだ。


厄介なのはこの人たちが化粧品の規制など業界の指針を決める中枢に居ることだ。


彼らの視線は押し付けても対応できる大手メーカーと規制づくりに生きがいを感じている欧米の技術団体に向いており、そんな高度なことに従うには技術もコストも足りない傘下の中小メーカーには向いていない。


◇


今、香料会社は青色吐息の状況だが、これも欧州の厳しい規制をそのまま日本に導入しようとする当局のあさはかなたくらみのせいで、ありがた迷惑以外の何者でもない。


これまで使っていて何の問題も起こしていないものも含めて安全性の見直しを行い、詳細なデータが揃わなければ使用禁止にするというのだから、極めて高飛車で、香料業界の混乱ぶりはわかろうというものだ。


香りの先進国の欧州ならいざ知らず、後進国の日本で急いで制定する必要などないのだが、担当者たちは欧州に追従したがっている。化粧品の分野ではまだ欧州に遅れを取っていると思っているらしい。そんな自虐的な人たちが余計な仕事をつくって自らの存在を誇示しているだけではないかという批判は的を射ているかもしれない。


◇


どれだけ懇願しても当局が方針を取り下げないのは、それが正論だからだが、それは「落石注意」の標識を乱造するようなものだし、すべての電車の吊り皮に抗菌性を施すようなもので、そのバカ正直さに付き合わされる傘下の企業はたまったものではない。


正義を貫くとき犠牲が伴うのならその執行をしばらくは猶予するのが道理だが、学術的な興味とくだらない倫理観だけで物事の善悪を決める当局にその種の機転は感じられない。


◇


保身願望としか思えないこともしてくれる。K社の美白剤が白斑を引き起こした不幸な事件があったが、それ以降、当局はどんな商品にも商品回りに白斑に関するコメントを記載するよう指導している。


指導したという活動実績を残したいのだろうが、記載スペースも限られている中で、デザイン性を損なってまでやるべきことか、悩んでいる会社は多い。


◇


昨年欧州は大した根拠もなく鰻を絶滅危惧種として規制を提案してきたが、日本は何とか弁明し、日本の食文化を守ることができた。しかしこれからはよほど用心しないと「規制マニア」に荒らされる危険をあることを思い知らされた。ヴィーグルやハラルで使われる原料など宗教上の主義主張とか関係なく、商売を意識したマニアの提案に踊らされている。


◇


本当に危なければ規制は必要だが、小波すら立っていない穏やかな海に津波の危険があると騒ぐようなもので、規制マニアは「狼少年」にほかならない。

(団塊農耕派)

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