【日本商業新聞 2026年6月22日号】酷暑が変える化粧品市場
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夏の酷暑、長期化が進む中で、「酷暑対策コスメ」の存在感が増している。
夏の酷暑・猛暑が常態化する中で、2024年から一気に広がってきた冷感コスメ、皮脂対策アイテム、耐汗メイクなどの需要だが、今年はさらに拡大する見通しが大きい。酷暑対策コスメは、今後の市場を左右する新カテゴリーとして定着する可能性が高く、メーカー各社は「暑さ対策」を軸にした新製品を相次いで投入し、市場は盛り上がりを見せる。
化粧品専門店でも、この潮流を的確に捉え、生活者の〝暑さの悩み〟に寄り添う売場をつくれるかどうかが、今夏商戦の大きな勝敗の鍵を握る。(丸毛敏行)
■酷暑が変える化粧品市場
気象庁は今年の夏について、「平年を大幅に上回る酷暑となる可能性が極めて高い」と発表した。今夏の酷暑・猛暑は、化粧品市場にも大きな影響を及ぼす見通しだ。
酷暑・猛暑対策として、メーカー各社は個性的な対応ラインを強化し、成長市場に攻勢をかけている。
資生堂は、凍らせるとシャリッとソルベ状になる氷点下美容液「Sソルベセラム」を6月に発売。氷点下の冷感と美容成分が肌の上でとろけるように広がりうるおいをチャージする成分を採用した。
コーセーは外出先での瞬間冷却をテーマにしたミストを刷新した「メイクキープミスト クール」を発売。噴霧後に水分が急速に気化することで体感温度を下げるのが特長で、今年は香りのバリエーションを増やしSNS投稿を狙う。
アルビオンは、最強のUVカット力とスキンケア効果を両立した最高峰UVデイクリーム「S‐UVカット リンクル イルミネイティング デイクリーム」が人気だ。
今年の酷暑・猛暑対策コスメの重点キーワードとして特に、「体感温度の最適化」が挙げられる。
■ 売場再構築で酷暑対策を
単なる冷たさ訴求ではなく、「体感温度をどう快適に保つか」が、購入者の裾野を広げるための大きなポイントとなる。具体的には、肌温度を下げる冷感成分、汗を吸着・固化する素材、皮脂分泌を抑制する処方などの技術が組み合わさり、暑さによる不快感を軽減する機能性コスメが主流となりつつある。
こうしたメーカーの酷暑対策コスメの魅力を、いかにお客様に訴求することができるか。化粧品専門店にとっても「酷暑対応売場の再構築」が喫緊の課題となる。
メーカーの動きが加速する一方、化粧品専門店には売場の再設計が求められているが、暑さ対策を「季節棚」ではなく「生活課題棚」として常設化することがまず重要だ。
具体的には下記の3つの実践ポイントを提案したい。
第一に、「体感温度別売場編集」。従来の「UV」「汗対策」「メイク崩れ」などの分類ではなく、例えば、体感マイナス5℃ゾーンには冷感UV、冷感ミストを置くなど、涼しさの度合いで棚を組むことで、消費者の直感的な選びやすさが高めることができる。
第二の対策として、「汗・皮脂診断サービスの導入」。店頭で簡易的に皮脂量の測定・診断を行うことで、商品提案の精度が向上する。診断結果に応じて、パーソナライズ提案も可能となる。
第三に、「持ち歩き酷暑対策のセット」の提案。今年は昨年以上に外出時の暑さ対策が重要視されるため、ミニサイズのセット販売が有効だ。例えば、冷却ミスト+皮脂吸着パウダー等の商品をセット化することで客単価の向上も期待できる。
■専門店の編集力が鍵
今年の酷暑・猛暑は、単なる季節要因ではなく、消費者の生活行動と美容ニーズを根本から変えるイベントとなる。メーカーは技術革新で応え、専門店は売場とサービスの再設計で応える。そんな相乗効果を期待したい。
酷暑対策コスメは、今後も成長が続くことは間違いない。化粧品専門店がこの潮流を的確に捉え、生活者の暑さの悩みに寄り添う売場をつくれるかどうかが、今夏の商戦の勝敗を分けることになるだろう。



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