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【日本商業新聞 2025年8月11日号】資生堂 S-CORE改変に不安の声

  • 日本商業新聞
  • 8月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:8月10日

資生堂では、化粧品専門店に向け7月より順次店主セミナーが開催され、支払いサイトの延長、取引制度の改定、時期S‐COREへの切り替え等「新専門店政策」が発表された。その中で今、最も懸念されている事柄が「時期S‐COREへの切り替え」である。今後は、基幹システムであるPOSレジ及びタブレット端末はお店自身で購入し各種設定まで行わなければならない。こうした状況に、多くのお店が不安や危機感を抱いている。現在も様々な動きがあるだけに、引き続き注視していく必要がありそうだ。(中濱真弥)



■化粧品組合にも動き 「対応できない」と嘆く店も


資生堂が発表した「新専門店政策」は、大きく「支払いサイトの延長」「取引制度の改定」「時期S‐COREへの切り替え」の3つが大きなポイントとして挙げられる。「支払いサイトの延長」に関しては待ち望んでいたお店も多く高い評価を得られているものの、「取引制度の改定」及び「時期S‐COREへの切り替え」については専門店の中で混乱が生じている状況だ。


その要因としてある専門店経営者は「大まかな決定事項のみの説明で、肝心な内容については『詳細はこれから』と、全てが明らかになっていないことが余計に不安を募らせる結果になったのでは」と話す。特にS‐COREに対する反響が最も多く、レジ機能や売上・在庫管理など、店頭において重要な基幹システムであるだけに不安や危機感は大きい。


改めてS‐COREの改変について触れさせていただくと、現在、利用料を払う形でPOSレジとタブレットが連動した資生堂の顧客管理機器を使用しているが、今後は利用料を廃止する代わりに、レジ及びタブレット端末はお店自身が新たに購入し用意しなければならないこととなる。


要するに、レジや周辺機器の購入に関しては、リース代がなくなることにより中長期的にみるとコスト面でメリットはあるかも知れないが、初期投資という点ではお店にとって大きな負担になるだけでなく、アプリなど各種設定もお店が行わなければならないこと、またWスキャンが必要になるなど、資生堂オンリー店やデジタルに弱いお店、あるいは高齢のお店にとっては非常に厳しい問題としてのしかかる。


実際に、「自店の力では到底対応することができない、どうすればいいのか」と肩を落とすお店も多く、また「商売を続けるべきか…」とまで悩むお店も出てきているのが今の専門店の実情だ。


早くからスマレジを導入した某経営者は「当店は他メーカーのレジがなくなる際にスマレジへの変更を行ったが、導入の際は四苦八苦しながらなんとか使用できるようになった。商品をエクセルデータで営業に送っていただきそれを登録しているが、機器に弱いご高齢のお店は大変だと思う。Wスキャンも今では慣れたが、新たに実施されるお店は慣れるまで大変だろう」と危惧する声も。


一方で「今こそ全粧協の力を!」と化粧品組合に対する熱い声が集まっている。聞くところによると、全粧協をはじめ、各粧協単位でも早速新レジ対応に動いているところもあるようだ。詳細についてはまだ検討過程ということもあり控えるが、レジ関連メーカーとの折衝や個店対応など、様々な高いハードルが課せられている中、スピード感をもって動いていることは間違いなく、各化粧品組合からの正式な発表を期待して待ちたい次第である。


全粧協・津村理事長は、組合創設の原点として「一人は皆のために、皆は一人のために」の相互扶助の大切さを訴えている。今こそ、組合の存在意義である相互扶助の力を存分に発揮してほしいと思うと同時に、組合員においても組合の大切さを今一度実感していただけたらと願うばかりだ。


さて、資生堂の新専門店政策に対しては、S‐CORE以外にも沢山の声を頂戴している。各店の捉え方や見方、考え方については次号の8月25日号にてお届けする。

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