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  • 日本商業新聞

【日本商業新聞 1面】専門店・1月の店頭状況 /「客足」に大きく影響 /〝コーセーグループ〟への期待感高く 2022/2/14

 各メーカーが新しい取引制度や取り組みをスタートさせるなど、2022年度は化粧品専門店においても重要な1年となる中で、1月に入り新型コロナ変異型ウイルス「オミクロン株」の感染が急激に拡大するなど、今年も新型コロナウイルスが化粧品業界に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。そこで、化粧品専門店に「1月の店頭状況」、そして「今年度注力したいこと」及び「期待するメーカー」についてのアンケートを実施した。



◆専門店・1月の店頭状況


 まず「1月の店頭実績」だが、立地や取扱いブランド等に関わらず、どの店舗も1月前半は好調に推移していたものの、やはりコロナの感染拡大が報じられてきた後半は客足の落ち込みに大きく影響したようだ。一方「売上」は、ほぼ前年並みか、前年を割っても90%台後半で推移、好調なお店に至っては2ケタ近い伸びを示すところもあった。



◆「客足」に大きく影響

 

 ただ心配なのは、2月以降の影響だ。特に「まん延防止等重点措置」が発出された地域においては『買い物や通勤で外出している方が減り、売上・客数とも影響が出始めている』『買い物の回数を制限しているためか、高額品を中心とした〝まとめ買い〟が増えている』といった声の他、お客様の購買行動についても『触れる活動に若干抵抗がある・触れる活動を断られるケースも出てきた』など、明らかに客足が遠のいている傾向が強まっている。またタッチアップ活動への影響以外にも、『お客様感謝デーやカード決済10%還元等、館の催事に連動する傾向が益々強くなってきている』といった〝特日〟に焦点をあて化粧品を購入するケースも増えてきているという。

 このように、本格的なコロナ感染拡大の影響は2月に出てくると予測されるだけに、1月に引き続き専門店の動向を追っていきたい。



◆〝コーセーグループ〟への期待感高く

 

 次に「今年度注力したいこと及び期待するメーカー」については、「コーセー」と「アルビオン」の2社を挙げるお店が多く、まず「コーセー」では、『リポソームの成功を次の新製品に繋げる紹介活動を強化。売場・接客・サンプリングなどの流れが徹底されている』『専門店が強みとするスキンケア拡大に注力し、結果を出すことが収益改善のポイント』『コーセーのシミュレーションでは、顧客育成型のカウンセリング販売が強いお店はアローワンスが上がる』というように、取引面のハードルは上がるものの、頑張れば収益に繋がるという点、また商品への期待度の高さが窺えた。


 続いて「アルビオン」は、『自社での売上・ヒット商品が最も多いメーカーなので商品面での期待が高い』『専門店のこと(経営者の心理・中小企業の経営)をよく理解してくれている』など、商品力の強さに加え、これまで築き上げてきた揺るぎない信頼関係の強さという点でポイントが高い。


 「資生堂」では、『ダイレクト営業部のサポートも加わり、積極的なマーケティングの展開に期待している』という声の他、『厳しい環境ではあるが、純粋に資生堂が好きだという気持ちは変わらない。150周年という記念イヤーで相乗効果を図りたい』という声が聞かれた。


 その他に寄せられた意見としては『メーカーに頼りすぎない距離感が重要』『新しいブランドの導入など、これまで専門店にはなかった商品にもチャレンジすることで、今まで取り切れなかった客層に向けた展開も強化していく』など、片側で自店の力を強化していく取り組みも重要だという意見も聞かれた。


 このように、専門店においては、メーカーも厳しい状況にあり、全ての専門店にまんべんなく目配りすることは難しくなるということを認識した上で、「自店で何を強化すべきか」の方向性をしっかりと導きだしている。


 ただ1つ言うのであれば、各社取引制度の改定において、例えば『1年間の猶予後にはこうしたいので、それを乗り越える為に一緒に取り組みましょう』といった時間的余裕がなく、いきなり変わるというショックは大きかったようだ。今年度は始まったばかりだが、今後マインドが上がるような施策や商品が出てくることを期待したい。


(中濱)


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