チーム粧サポ キャリア担当、化粧品店経営者キャリコンの長谷川です。 本ブログは全国初「化粧品店経営者+キャリアコンサルティング」という立ち位置で経営者の皆さんの悩みを共有し、お題に対し皆さんのメッセージをいただきながら、解決策を共有してくことを目的としております。
昨今ジェンダレス化が進み、化粧品店であっても男性の店長やスタッフが増えてきております。 筆者は名古屋市近辺に住んでおりますが、周辺の店舗においても顕著にその傾向が見られます。
とはいえ中小企業においては男性店主と女性店長・女性スタッフという役割分担が未だ大半を締めており 皆様のお店も多くがそうであると思います。
お店の将来を見据えれば、彼女たち現場スタッフとの意思疎通が重要なのはご理解のとおりです。 その中でも彼女たちの将来設計や職業人生の概要は理解しておくべきでしょう(※)。 理解することで労務環境の改善に繋がり、生産性が向上しお店の利益も向上します。(=セルフ・キャリアドック、本文外参照)
※言うまでもなく、単なる興味本位での詮索ではありません!
男性でもそうですが、特に女性は結婚出産において家庭に入るというケースが比較的多くあります。 ではそのイベント中あるいはその後、仕事はどうするのでしょう。 専業主婦になるのか共働きなのか。働くとして、どのような業界でどのようなスキルを活かすのか。
経営者からすれば戦力として返ってきてくれるのかは重要課題ですし、お願いするべき現在の業務が変わります。 ただし、結婚・妊娠を理由に解雇や不利益な取り扱いをすることは法律上禁止ですのでご注意ください。 引用:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第9条
ですので、彼女たちの今後の計画は経営の上で理解するべき重要な事項。
しかし残念なことに、近年このような店舗形態において、女性社員とのコミュニケーションは難しくなる一途です。 日常会話なら良いのですが、いかに信頼関係が築かれていても、ことライフイベントに関わること、プライバシーに関わることは一線が分かりづらい。 セクハラ・モラハラとSNS等ですぐに話題になってしまう過敏な現代、どこまで聞いていい内容か困ることはないでしょうか。
そういった時セルフ・キャリアドックを活用しましょう。
キャリアコンサルタントには秘密保持契約があり、基本的には面談で話した内容を事業主に伝えることはできません。 しかしスタッフさんの今後の職業人生を一緒に計画する中で、共有すべきと合意した内容はお伝えできます。
このさじ加減はキャリアコンサルタントの力量になりますが… 何れにせよ事業主自身が際どいラインを考慮しながら、スタッフさんの詮索を行う必要はありません。
そうして理解したスタッフさんの目標を加味しながら、経営者として会社と彼女たちの未来のための組織づくりを行うことで
より業務への理解が高まり、自主的な活動が増えていきます。
ここまでご説明差し上げましたが、現状の中小企業におけるセルフ・キャリアドックの実施率は10%以下です。 なぜか?それは見ず知らずのキャリアコンサルタントに「従業員を預ける」ことに不安があるからです。
経営者の皆さんの中には、本制度の必要性は感じているけれど、不安があってやめた方も多いのではないでしょうか?。 ■従業員さんの向上心や後ろ向きさを煽って、転職を推奨したりされるのではないか? ■会社内の規則や制度について、法令未遵守の部分を指摘されたり、労基署へ連絡されたりするのではないか?
今回粧サポに化粧品小売経営者のキャリア担当を設けたのも、このような不安を払拭し制度を活用するためです。 私も同じ化粧品小売業界の経営者です。働き方改革したくともできない部分が多々あることや、大変な業務の中でも スタッフさんには長く共に働いてもらいたい。そんな同じ悩みや思いを抱えております。
ですから転職の推奨や会社内の規則や制度の改善を優先するのではなく、今ある悩みを解決し、 どう将来設計につなげるかを最優先にコンサルティングします。皆さん経営者と同じ視点でかつキャリアコンサルタントとして 従業員の方と向き合いますので、ご検討の際はご安心いただけたらと思います。
不安が晴れて、化粧品小売業界でのセルフ・キャリアドック活用が進んでいくと業界内全体の生産性が向上します。 そうしますと働き方改革や業界のイメージアップにつながり、求職者増加にも寄与します。 結果として経営者と労働者がやりがいを持って働ければ、幸せな人生が増えていく。 私も一人の労働者として、人の流れを通じて、そんな社会を実現させたいと思っています。
なおセルフ・キャリアドックは費用ベースでは従業員さん一人あたり大体2万円程度の費用がかかりますが 2019年現在ですと、人材開発支援助成金という制度においてセルフ・キャリアドックの支援助成がされております。 (かつ、その他管理制度を実施することで、追加の助成金支給がされます)この制度を使えば費用負担は不要です。 詳細は各企業個別で異なりますので、粧サポ Jコンサル/コールセンターもしくは本稿への返信でお尋ねいただければお答えできます。
最後に、このような悩みがある方がセルフ・キャリアドックを利用されます。 悩み1.スタッフさんが積極的に、意欲をもって働いてくれていない 悩み2.出産・育児・休業で今後の雇用計画が立てにくい 悩み3.雇用してもすぐに離職してしまう 悩み4.業務に関する能力開発をしてほしいが、積極的に動いてくれない 悩み5.売上向上や経費削減を頑張っているが、さらに生産性を向上させたい
これらに該当しましたら、ぜひご相談ください! また、わからない点など、遠慮なく粧サポまでぜひご質問ください。 良いお店づくりを一緒にお手伝いさせていただきます!
粧サポ キャリア担当 長谷川卓也
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【セルフ・キャリアドックって何?】 ①従業員さんのキャリア形成や能力開発、職業人生の計画によって②生産性を向上させ③企業の成長を促すものです。 2016年に国家資格キャリアコンサルタントという資格ができまして、現在その資格者として指定されております。 ではどのように①~③を行うのか? 主な手法としてそのキャリアコンサルタントと従業員さんがキャリアについてお話する(=キャリアコンサルティング)、 あるいはグループワークを通して自己のキャリアを見直すといった手法が取られます。 SPIやIQテストのように分かりやすい指標があればよいのですが、心の内面と自己実現という「気づき」が成果がですので 心理カウンセリングと同様に、話の中で明確になった(=合意した)内容を書面に起こしていく、という形が取られます。
【なぜ今セルフ・キャリアドック?】 名前は聞いたことがある方もいると思いますが、なぜ急に色々な方面で話題に上がるのか不思議に思う方も多数いらっしゃる。 背景は安倍内閣で2015年10月に発足した「一億総活躍社会」、そしてその実現のために検討された「働き方改革」にありまして 官邸及び厚生労働省が主管となって進めております。
「働き方改革」の中でも労働生産性の向上は大きな課題の一つでありますが、ハード面での投資は長期的かつ大規模な支援が 必要で難しい。セルフ・キャリアドックはソフト面である労働者の内面に働きかけますので、その意味で小回りが効きます。 そのため、国は助成金や補助金の枠を設けて支援しながら、労働生産性向上の解決策としてセルフ・キャリアドックを積極的に推奨しているのです。
【セルフ・キャリアドックのメリット】 セルフ・キャリアドックを行うことのメリットは ①仕事の意欲向上②職場復帰率の向上③能力開発の意欲向上④職場定着があります。 総じて生産性向上の一助になります。
残念ながら明確な統計は出ておりませんが、大企業においては進んでセリフキャリアドックを推進し 一定の効果があることが労働政策フォーラムでパネル提言されています。
参考: 独立行政法人労働政策研究・研修機構 一ノ瀬豊氏「企業内キャリアコンサルティングの導入と効果」 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20180216/houkoku/04_panel1.html
【セルフ・キャリアドックの内容】 例えば今、仕事に対してあるいは職場に対して悩みを抱えた人がいるとします。 その方にキャリアコンサルティングをする場合、事前にジョブ・カードというこれまでのキャリアをまとめたものを作成してもらいます。
引用:ジョブ・カード制度情報サイト ジョブ・カードとは https://jobcard.mhlw.go.jp/job_card.html
その内容を前提とし、実際にお話をしながら悩みがどこから来ているものか分析します。 仕事に関するものであれば自己の目標の再認識、人から来るものであれば立ち位置の明確化などを通じて 向き合い方を一緒に探ります。 その結果を踏まえ、今後何に向かって、何を頑張るべきか”コンサルタントと合意できた内容”のみ、 キャリアプランシートとして書面に起こします。これが目に見えるアウトプットです。
引用:ジョブ・カード制度情報サイト
キャリアプランシート http://www.ms-office.co.jp/marugoto-jobcard/jc_yousiki1-1/
これを共通認識として目標に向かって進むと同時に、経営者にできることがあれば コンサルタントより依頼したりもします。。
【セルフ・キャリアドックの現状】 国が推奨しておりますが、中小企業での実施率は10%以下にとどまっていると言われます。 数字やデータで効果が明確にできないため、その重要性が理解されにくいこと。そして、キャリアコンサルタントへの不安が主な要因です。 しかしこの不安を払拭して実施につなげることができれば、従業員さんの悩みや志向を理解し、同じ目標を見据えることができ 会社の生産性や利益は向上します。
経験談ですが、サービス業の従業員さんに面談した際、結婚を気に離職を考えておられました。 よくよく話を聞くと、結婚→子育て後の将来の目標が、一人でも生きていけるようなスキルを身につけることであり 離職の必要性はなく、また会社の方向性にも賛同して産休取得の後に復帰するという結論に至りました。 面談ではこういう翻りが起こることが多々あるのです。 ---------------------------------------------------------------------------------------
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