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  • 日本商業新聞

【2023/7/10 日本商業新聞】注目高まる「10代男子」/美容意識の高さ突出/〝8割以上〟がスキンケア使用

 高校生・大学生を中心とする10代の〝ティーンエイジャー男子〟に注目が集まっている。この年代層はお肌や身だしなみに対する美意識が高く、更に多様性に溢れた時代で育ってきたという環境も相まって、化粧品売場に行く抵抗感も少ないという。

 化粧品専門店においてもメンズコスメ市場は成長の過渡期であるが、この年代層については完全にブルーオーシャン市場と言え、人口減少の時代の中でティーンエイジャー男子をいかに獲得できるかが、今後の成長に大きく影響すると考えられる。(中濱)



■注目高まる「10代男子」 美容意識の高さ突出


人口減少の時代において、これからは「メンズコスメ市場」の開拓が成長要因として重要なカギになると以前述べたが、その中でも今注目を集めているのが「高校生・大学生」いわゆる〝ティーンエイジャー男子〟の美意識の高さである。


 化粧品専門店においても、男性向け、あるいはジェンダーレスで売場提案を行うお店は広がりつつあり、以前のような「男性は入りにくい」というイメージ脱却を図るお店が増えている。そうした背景から、店頭からは「カップルでの入店が増えている」「カウンターに座りカウンセリングを受ける男性も増えてきている」という声が着実に増えてきている。


 そうした中、某SC専門店では、メンズコーナーを設置した際に男性客の動向を調査。その結果「男性の中でも特に大学生までの10代男性の美意識が非常に高い。化粧品アイテムも男性用・女性用という概念がなく、また抵抗なく売場に入る様子が見受けられる」と説明し、更に「10年20年後、美意識の高いこの年代層の割合が増えたならば確実に客単価のアップに繋がるだろう。今からお店のファンに繋がる活動やアイテムの充実が必要なのではないだろうか」と言及する。


 化粧品メーカーもティーンエイジャー男子のアプローチに積極的だ。コーセーでは高校球児に向けた「紫外線対策講座」を実施した他、マンダムでは男子校で「身だしなみセミナー」を行うなど、認知度アップを図ると同時に、活動を通じて商品の使い方や美容の楽しさを伝えファン育成に繋げている。



■〝8割以上〟がスキンケア使用


 若年層リサーチ「TesTeeLab」が調査した「高校生・大学生のスキンケアやメンズコスメに対する意識調査」によると、「肌悩み」を抱えている高校生は77・3%、大学生は75%と7割以上が「肌に悩みがある」と回答。


 続いて、「肌悩み別ランキング」では、高校・大学生共に1位が「ニキビやできもの」がランクイン。次に「乾燥」「毛穴の黒ずみ」が続くなど、何かしらの肌悩みを抱えていることが見て取れる。


 また、肌悩みに対し「スキンケアを日常的に行っていますか※週1以上」という問いに対しては、高校生が80・3%、大学生が86%と高い確率でスキンケアを行っているなど、この結果からも肌悩みに対する10代男子の美意識の高さが窺える。


 更に、スキンケアをはじめ、ヘアケアなど身だしなみを整える「メンズコスメ全体のアイテム」をみると、高校生の1位がスキンケア44・2%、2位ヘアケア42・5%、3位ボディケア33・6%。大学生の1位がスキンケア/ヘアケア48・9%、2位ボディケア36・3%、3位フレグランス17・8%となり、10代男子の中心アイテムは「スキンケア・ヘアケア・ボディケア」の3点に絞られることが分かる。


 この中でも「ボディケア」に関しては「ムダ毛ケア」への関心が高く、10代男子の2人に1人がムダ毛処理を行っているなど、関心の高さの割にニッチな市場であることから、専門店でも新たなアプローチ商材として捉えていくのもおもしろいのかもしれない。


 このように、高校生・大学生を中心とするティーンエイジャー男子はお肌のケアに対する意識が高いにも関わらず、専門店においては開拓のできていないゾーンであり、このブルーオーシャン市場をどう掴んでいくかが次なる成長の一歩になると感じている。

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