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【2025/6/23 日本商業新聞】化粧品専門店に〝追い風〟

  • 日本商業新聞
  • 6月24日
  • 読了時間: 3分

「桃谷順天館」ではこのほど、スキンケア製品を〝テクスチャー(使い心地)〟で選んでいる女性は、効果や成分などを重視する女性よりも肌年齢が実年齢よりも有意に若く、より良好な肌状態を維持していることを科学的に立証・発表した。スキンケア選びに感性や心地よさが大きく関係しているという研究結果は初めてであり、これまでタッチアップをはじめとする〝肌実感〟を元にお客様の肌を美しく導いてきた「化粧品専門店」の存在意義、あるいは今後の活動に大きな追い風になると感じている。(中濱真弥)



■〝感性〟肌に高い効果 - 桃谷順天館が科学的に立証


お肌のタッチアップやカウンセリングなど〝肌実感〟を通して確かな化粧品の効能効果を伝え、一人ひとりのお客様の美に貢献してきた「化粧品専門店」にとって追い風となる研究結果が発表された。


創業140年の歴史を持つ「桃谷順天館」では、横浜国立大学と共同で、20代~50代の女性60名を対象に「スキンケア製品選びの基準が肌状態にどのような影響を与えるか」を、画像解析による肌年齢分析調査により科学的に検証する実験を実施。その結果「スキンケア製品を〝テクスチャー(使い心地)〟で選んでいる女性は、効果や成分などを重視する女性よりも肌年齢が実年齢よりも有意に若く、より良好な肌状態を維持していることが判明した」と発表した。


また参加者が好んで選んだテクスチャーのローションとクリームを1カ月使用したところ、参加者全員の水分量が約50%改善。本研究結果により、スキンケアを「好きなテクスチャー」で選んで継続使用することにより、肌の保湿機能などが改善され、肌状態が向上することが明らかになった。


更には、「テクスチャーを選ぶことに〝面倒さ〟を感じたか」とアンケートを行ったところ、面倒さを感じた方はわずか10%以下にとどまり、90%以上の方が、テクスチャー選びのプロセスを前向きに受けいれていることが分かったという。


これにより、成分や効果だけでなく、実際に使って〝心地よい〟と感じる製品を選ぶことが、結果的に肌の健康につながることが科学的にも立証されたこととなる。


要するに、化粧品専門店がこれまで追求してきた〝感性〟や〝肌実感〟を大切にする活動は、科学的側面からも、お客様の肌状態を美しく導くものであると実証されたと言っても過言ではない。そしてこの〝心地よさ〟とは、テクスチャー以外においても専門店が最も得意としているところではないだろうか。



先日、アルビオン・小林章一社長のインタビューを行った時のこと。小林社長は高級化粧品を販売する上での〝本質〟について語り「お客様が心から『来てよかった』と思えるような居心地の良い環境づくりが最も大事である。そしてそれは『商品・売場・接客』どれひとつも欠けてはならない。この三位一体が高級感を醸成する」というように、商品の心地よさ、売場環境の心地よさ、接客やサービスの心地よさ全てが重要だと説いた。


そして小林社長は「本当に良いものをつくり、真の高級感を感じていただき、心からお客様の肌に響くものを提供できる企業であることこそが、アルビオンが目指す理想の姿である」と明言し、「これからも本質を見失うことなく進んでいきたい」と述べた。


即ち、化粧品専門店とは、商品のテクスチャーで心地よさを感じてもらうのはもちろんのこと、お客様が気持ちよく化粧品を選ぶ上で、心地よいと感じていただける空間や環境づくりにも特化した業界だと言える。


「商品・売場・接客」が合わさった〝心地よさ〟がどれだけ肌に有意性をもたらすかは科学的に実証された訳ではないが、感性が肌状態を改善する上で重要なポイントであるとすれば、きっと相乗効果となることは間違いない。そして本研究結果を追い風として、専門店の価値向上に繋げてほしいと思う。


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