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  • 日本商業新聞

【2024/1/22 日本商業新聞】「FANCL」専門店初参入/パルファンに1号店/専門店の存在価値向上へ

 化粧品専門店の潮目が変わりつつある。コロナ禍によって化粧品専門店も数々のピンチに見舞われたが、その中でも愚直に〝人〟を介した接客を強化してきた結果、23年度は国内の市場動向に比べ早い成長スピードで回復している以外にも、これまで直営店舗での展開を主としていたブランドが続々と専門店に導入し始めるなど、専門店流通にチャンスとなる新しい動きが出始めている。(中濱)



■「FANCL」専門店初参入 - パルファンに1号店


 アフターコロナを迎え、化粧品業界の中で今、「化粧品専門店」の存在が様々な化粧品メーカーから一目置かれ始めている。そのきっかけとなったのが、〝人〟を介した化粧品販売の底堅さが、コロナ禍を経て強さを発揮した点にある。


 コロナが始まり、化粧品業界は大打撃を受けた。外出制限やリモートワークによって化粧品を使用する機会は大幅に減少、昨年5月に5類に移行し明るい兆しに転じるかと思われたが、ウクライナ情勢を端とする物価高騰などにより、化粧品業界全体の回復は遅れている。

 

 経済産業省が発表した2023年1~10月の「化粧品出荷統計実績」をみると、1~10月累計で、「販売個数」は22億4597・1万個と前年同期比1・7%減、「販売数量」は31万745・3tで同6・7%減、「販売金額」は1兆531億9500万円で同0・7%増と、販売金額は前年を上回ったものの、「個数・数量」においては依然として厳しい状況が続いている。


 そうした中、化粧品専門店流通の動きをみると、2023年を迎えた頃から好転し始めたお店が多く、通期でみても、テナント店を筆頭に「前年を超えた」「19年比に戻りつつある」という声が聞こえてくるなど、厳しさが残る市場動向に比べ、専門店においては全体的に早い成長スピードで回復している。



■専門店の存在価値向上へ


 その要因として考えられることは、もちろん専門店もコロナによって一時期は臨時休業や営業時間の短縮を強いられ、また活動面においては肌タッチ活動の制限など苦境に立たされたが、コロナ禍の中で「いかにお客様に寄り添う提案が出来るか」を考え、持ち前の柔軟な対応力を発揮したことでいち早く回復に繋がったことが1点。


 もう1点は、コロナにより客足は鈍化したものの、お客様との信頼関係を軸とした人の繋がりが強い業態であることが功を奏し、減少幅がモノ繋がりの業態よりも低かったことが挙げられる。


 更に昨今では「ショッピングセンターをはじめとするテナント直営の化粧品売場から販売スタッフが減少している影響で、その顧客が専門店に流れてきている」という声が多方から聞こえてきているなど、「自分に合った商品をきちんと教えてくれるお店で買いたい」という、消費者ニーズの高まりの受け皿としても一役担う存在として力を発揮している。


 このように、成長を押し上げている要因には、必ず中心に〝人〟が存在しており、そして、人を介した販売を仕組みとして構築している化粧品専門店の存在価値が改めて見直され始めている。


 それを裏付ける最大の動きとして挙げられるのが、これまで直営店舗のみで展開を図ってきた化粧品メーカーによる〝チャネルの解放〟だ。


 2020年10月より「オルビス」が専門店流通に販路を拡大。続いて2023年5月、LOOKさんすて店に「ポーラ」第1号店がオープン。そして今年3月20日、パルファンイオンモール大高店のリニューアルのタイミングで「ファンケル」と「アテニア」が専門店初参入を果たすこととなり、大手直営化粧品メーカー4ブランドが勢ぞろいすることとなる。


 パルファン・野村社長は「化粧品専門店の潮目が変わってきたと感じている。どんな時代においても、人を介した接客でお客様満足度を上げていくという愚直な活動を続けてきた努力が今、華開いている。このチャンスをしっかりと受け止め、専門店業界の存在価値向上に繋げていきたい」とコメント。


 〝ピンチはチャンス〟という言葉があるが、コロナというピンチを乗り越え、化粧品専門店にとって24年はチャンスの年になると感じている。

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