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日本商業新聞

【2023/6/19 日本商業新聞】10~30代4割「鼻」に注目/いずれニーズ顕在化/コロナ後、新メイク提案

 コロナでマスクを手放せなかったのは今年2月まで。3月からマスク着用は個人の判断に委ねられるようになり、3カ月が経過した。それに伴い、化粧品業界でも、再びメイクへの期待が高まってきている。その中で今回注目したのは「鼻」。アイスタイルが実施した独自調査でも10代~30代の約4割が「鼻」に注目しており、その背景にはマスクで隠れていたためと同社担当者は説明する。確実にメイクへの意識は高まっているが、その中でさらに新たなニーズも生まれつつあるようだ。そして、それらのニーズに専門店としてどう対応すべきなのだろうか。(半沢)



■10~30代4割「鼻」に注目


 先日、アイスタイルでは「2023下半期トレンド予測発表会」を実施。その中でマスクを気軽に外せるようになったことを背景に、上半期に続いて、この下半期も生活者のメイク意識の高まりが続いていくのではというの見方を明らかにした。加えて、今までマスクで隠れがちだった「鼻」が高い注目を集めており、下半期のトレンドにもなり得るとの可能性も示していた。


 コロナ禍のこの数年間メイクトレンドは、マスクにつきにくい「口紅」や「ファンデーション」、そしてマスクで隠れない目元周りの「アイシャドー」「アイブロウ」等、特定カテゴリーのアイテムが中心だった。しかし、マスクが外せるようになり人ともリアルで会話出来る機会が増えた今、メイク需要は高まっていて応えるように各社揃って秋冬のメイクアイテムの発売が予定されている。


 この「鼻」がトレンドとしてどこまで成長していくのかは未知数だが、それでも担当者の説明を聞くと、「なるほど」と可能性を感じた。実際に、アイスタイルが実施した独自調査でも「鼻」に対して10代~30代の約4割が注目パーツとして捉え、特に鼻の「黒ずみや毛穴が気になる」との声が多く、既に店頭では「鼻パック」の売上実績が今年春以降、明らかに伸びているという。


 鼻周り関連アイテムは「鼻パック」だけではなく、鼻筋や鼻周りを整えるノーズシャドウ等のメイクアイテムも人気を集めており、セルフのプチプラコスメをはじめ、専門店や百貨店で展開するデパートコスメ、さらに韓国コスメでも数多くのアイテムが展開されており、店頭で盛り上がりを見せる。そして秋以降に発売される新製品においても、こうした用途に合わせたアイテムが投入される可能性が高く、化粧品を取り扱う小売業において新たな提案として注力する店舗が増えていくのではないだろうか。



■いずれニーズ顕在化


 ただ、これらの動きは今現在、10代~30代の層に色濃く見られる傾向で、一方40代以降の層では鼻周り関連の悩みはスキンケアで対応する生活者が多いという。ここまでだと40代以降の層を中心顧客にする専門店では「関係ない話」として捉えるかもしれないが決してそうではない。


 何故ならば、トレンドは年代毎で時間がズレながらも、形を変えながら必ず伝わるものと考えている。つまり、今は若年層でのトレンドでも、少し時間を置いて40代以降のニーズとして現れてくる可能性があると考えている。そう考えていくと40代以降の顧客を中心とする専門店においても、いつそうしたニーズが顕在化してもいいようにしっかり準備を進めておく必要がある。



■コロナ後、新メイク提案


 専門店の役割であり強みは、美容のプロとして目の前にいる生活者の肌悩みやニーズに応えることだが、まだ気づいていない悩みやニーズを顕在化させていくことも重要である。それはきちんとコミュニケーションを取りながら、自然に提案出来るのは専門店であり、言い換えるとチャンスと言える。


 秋以降、各社からスキンケアやメイク関連の新製品が数多く発売される予定だが、中でもメイクは「出会いの材料」として、改めてその大切さを感じたお店は少なくないはずだ。そしてマスクが気軽に外せるようになった今、メイクへの注目が高まっていることに伴い、メイクに力を入れるお店が増えている。そうした状況の今だからこそ、こうした新たな流れに注目し、準備を進めておくことが大事なのではないだろうか。

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