top of page
日本商業新聞

【2023/4/3 日本商業新聞】リアル活動復活の兆し 顧客ターゲット見極め価値ある〝来店動機〟創出へ

 エステを始め、少しずつ専門店の活動が動き始めている。特にマスクの常態化による肌悩みとして挙げられる「たるみケア」や「毛穴ケア」の需要は高く、お手入れを求める顧客が活発に増えつつある。しかしながら、コロナを機に失った〝ロスト客〟の損失回復には至っていない。そこで今専門店では、自店が最も重要視しなければならない顧客ターゲットを見極め、その上で、その顧客に向けた〝来店動機〟をいかに創り上げるかということが必要だと感じている。(中濱)



■リアル活動復活の兆し


 3月13日以降、マスクの着用解禁が発表されたことに伴い、今化粧品専門店の店頭では「アプローチの絶好のタイミング」と捉え、タッチアップ活動やお肌のお手入れをはじめ、イベントの再開など本格的なコロナ禍からの脱却へと明るい兆しが見え始めている。


 特に「エステ」においては、コロナ禍で自粛するお店も多かったが、マスクを外すタイミングに加え、コロナへの意識も徐々に薄れてきたなかで再開へと踏み切るお店が多く、お客さまにおいても「エステの施術を受けたいという要望が増えている」という。


 某SCで展開している専門店では「エステの予約は連日ほぼ満席で埋まっている状況。やはりコロナ禍で長期間のマスク生活を続けていた影響による『ハリやたるみが気になる、解消したい』というお客さまが増えている」と話す。


 また路面専門店経営者は「お手入れに関しては、お客さまの同意の上でコロナ禍でも行っていたが、やはり年明けから徐々にお手入れ回数も増えてきている。更にマスクをはずすこのタイミングは絶好のチャンスと捉え前向きに動いていく。中でも、毛穴ケアの需要が高まっていることから、新たに毛穴エステの導入を考えており、また夏に向けて脱毛ケアも注目している」と意気込みをみせる。


 リアルイベントも同様だ。某SC店では、カネボウ「トワニー誘導美容液体験会」イベントを実施。「イベントを通じて、新たなお客さまとの出会いに繋がった他、実際に商品をご実感いただき購入に繋がるなど、久々にリアルの良さを実感した」という事例以外にも、埼玉のパーミンダイゴウでは、リアルイベント第一弾として「眉メイクを極める3日間」と題し、鈴木店長のマンツーマンレッスンを実施。


 その結果「たくさんのお客さまが来店して下さり、客数においては前年を100名近く上回った。売上をみても、この3日間で月全体の1/3強の売上を達成した」と、「コロナの収束感を実感している」とコメント。



■顧客ターゲット見極め、価値ある〝来店動機〟創出へ


 このように、コロナ禍からの脱却に向け動き出してはいるが、「まだまだ回帰には時間がかかる」という声も。そのなかで最も大きい課題が〝ロスト率〟である。


 「当店ではBQエステに力を入れていたのだが、コロナ禍の中、BQエステが終了となったことでお店とお客様が繋がる点(きっかけ)の数が少なくなってしまった。またコロナを機に来店を自粛されるお客さまが増えたことも重なりロスト率が上昇。お客さまは、一旦お店から離れてしまうとなかなか戻ってきてもらうのは難しい。新規獲得も大事だが、まずはロスト率を下げることに目を向けることが重要だ」と某専門店経営者は言及する。


 特に、路面専門店や地域に根差した店舗においては、プライオリティ(優先順位)は新規客ではなく、まずは会員に目を向けた取り組みや活動が重要になる。要するに、今自店が最も重要視しなければならないのは、「新規なのか会員なのか」をまず見極めること。その上で、自店が求める顧客ターゲットに向け、〝来店動機〟をいかに創り上げるかということが必要なのではと考える。


 とは言え、エステやイベントなど、専門店の活動が盛り上がりつつあるのは間違いない。全ての専門店が復活の軌道へと向かことを願う。

Comments


bottom of page