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  • 日本商業新聞

【2023/3/6 日本商業新聞】メーク回復は今年移行か・19年比「口紅」6割強減

 経済産業省は2022年の「化粧品出荷統計実績」を発表。記者が注目したのは「皮膚用化粧品」と「仕上用化粧品」の2分野。2020年以降、コロナの影響で4分野は軒並み前年割れという厳しい状況を強いられてきたが、この2022年、「皮膚用化粧品」「仕上用化粧品」の2分野は個数、金額共に増加。特に「仕上用化粧品」は年間通じて好調な品目が大半だが、それでも2019年と比べて多くの品目が下回っている。ただ、今後更にマスクを外す機会が増えるため、その中で、これら回復途上の品目をどう捉えていくかが大きなポイントのように思える。(半沢)



■メーク回復は今年移行か


 2022年の出荷実績で記者が注目したのは「皮膚用化粧品」「仕上用化粧品」の2分野。2020年、コロナ感染者の拡大で人の流れは激変。外出自粛やマスク着用の常態化で、出荷実績は全ての分野が減少した。


 特にスキンケア関連の「皮膚用化粧品」が金額で前年比12.6%減。もう一つ、メークアップ関連の「仕上用化粧品」も金額で同33.9%減といずれも2桁減。翌年2021年も全分野が減少しており、やはり「仕上用化粧品」「皮膚用化粧品」は大きく落ち込んでいる。


 ただ、今回発表した2022年の出荷実績では4分野のうち、この2年間ひと際落ち込んでいた「皮膚用化粧品」「仕上用化粧品」の2つの分野が個数、金額共に前年実績をクリア。「皮膚用化粧品」は前年比4.4%増、「仕上用化粧品」では同10.3%増となった。


 その背景には、まず昨年GW頃からコロナ以前のように人の流れが戻り始めたことや、マスクを外す機会が増えたことで化粧への意識が高まったこと、そして、これまでコロナの影響を受けていたことの反動が挙げられる。3月13日以降、屋内・屋外問わず、マスク着用は個人の判断に委ねられることから、今以上にマスクを外す機会が増え、市場の回復ペースは強まっていくだろう。


 特にコロナの影響を大きく影響を受けた分野が「仕上用化粧品」で、先述の通り2022年の出荷実績は金額で2桁成長だがコロナ前の2019年比では35.5%減と3割以上落ち込んでいる。


 そこで「仕上用化粧品」の2022年における各品目の金額における伸長率は、前年比で横ばいもしくは増加したのは、「ファンデーション」(増減無し)、「おしろい」(同16.5%増)、「口紅」(同49.2%増)、「リップクリーム」(同2.4%増)、「アイメークアップ」(同比10.6%増)、「まゆ墨・まつ毛用化粧料」(同16.8%増)と6品目が増加、そのうち4品目が2桁増となる。


 また、「まゆ墨・まつ毛用化粧料」は他の品目と違い、2020年は減少したが、2021年で前年比5.8%増、2022年でも同16.8%増と2年連続の増加。マスクを着用していても隠れないためで目元だけメークする女性が多かった。


 反対に2019年と比べて4割以上減少したのは「ファンデーション」(同47.5%減)、「口紅」(同61.6%減)、「リップクリーム」(同54.2%減)、「ほほ紅」(同65.7%減)の4品目で、他の品目と比べて回復していない。見方を変えれば、2023年以降回復していく可能性の高い品目とも考えられるだろう。



■マスク外す機会の増加が鍵


 この出荷実績は、あくまでもメーカー出荷の数字で、実際の店頭の数字を反映したものではない。ただ、各メーカーが市場の流れや生活者の購買行動を分析したうえでの生産計画を反映したものであるのは間違いなく、これらの数字からおおよその流れを予測することは可能だ。今後の生活者の日常生活の中でマスクを外すことが今以上に多くなることでメークへの意識や意欲は高まり、そうしたことからこれらメーク関連の品目の本格的な回復のペースが高まっていくとも考えられる。


 そうなってくると今後大事なのは、この2020年以降の3年間、動きが鈍さが目立っていたメーク市場の本格的な回復に向けて、商品の見せ方や店頭活動にどう取り組んでいくのか、その準備を進めることがメーカー、小売業問わず大きなポイントになる。

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