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日本商業新聞

【2023/11/20 日本商業新聞】専門店 10月度の店頭状況/19年比上回る店舗も/「デコルテ」引き続き強さ発揮

 3年間という長いコロナ禍が明けた23年度も残り2カ月を切り、化粧品専門店流通においては、続々と新製品が発売されるなど盛り上がりをみせる中、メーカーの動きをみると、引き続き「コーセー」の「デコルテ」が際立った強さを発揮。また「資生堂」も各ブランドから話題の商品が誕生するなど頭角を現してきている。そこで、化粧品専門店の「10月度の業績状況」並びに「好調な商品」、また10月までの「店頭状況」から、現在、そしてこれからの専門店の状況を紐解いていく。(中濱)



■19年比上回る店舗も - 「デコルテ」引き続き強さ発揮


 まず、10月の「店頭売上」においては、昨年はコロナ禍であったことに加え、下期は各メーカーから次々と期待の新製品が発売されたことで盛り上がりをみせた他、定番商品も奏功したことにより、全体的に前年をクリアした店舗が多かったようだ。


 某業態店舗では「10月度の売上は、前年比111%と前年を上回っただけでなく、19年比でみても116%と大きく伸長した」といった声以外にも、某テナント店舗では「業績全体としては絶好調だが、19年と比べると、今期は85~90%くらいになりそうだ。要因としてはインバウンドの減少が挙げられるが、一方で国内需要は順調に回復しており、おそらく今期中には19年比100%にまで持っていけるだろう」というように、市場環境によって違いはあるものの、国内需要は少しずつ上向き傾向にあることは確かで、その中でも19年度の実績を超える店舗も出てきているといった状況だ。


 次に、実績に貢献した「商品」については、引き続きコーセー「デコルテ」が全体をけん引。「リポソームシリーズ」の好調さに加え、「新AQ」も堅調な動きをみせている。


 新規に強いという点では「KANEBO」が挙げられ、「クリームインデイ」や「コンフォートスキンウェアファンデーション」「スクラビングマッドウォッシュ」など、強い単品が続々と誕生。


 アルビオンでは、根強い人気を誇る「エレガンス ラプードル」をはじめ、「フラルネ乳液限定キット」や「エクシア ダブルキーセラム」といった商品が好調に推移。


 資生堂では、「クレ・ド・ポー ボーテ」が上々な動きを示しており、更に新たなヒット商品として「ベネフィーク セラム」が注目を集めている。某路面専門店経営者は「BQの知名度はまだまだ低い状況だが、TVCMや雑誌等による影響は大きく、『赤い実の美容液が気になる』『使ってみたい』という声や反響が確実に出てきている。一過性ではなく、継続的かつ効果的なマーケティングを続けてほしい」と期待をのぞかせる。


 更に「ファンデーション」において特に動きが良いと評判なのが「SHISEIDO エッセンススキングロウファンデーション」だ。某業態専門店では「ファンデーション美類のみをピックアップすると〝前年比420%〟と特筆した動きを見せている。要因としては、ファンデーション機能として流行の『ナイアシンアミド配合』のスキンケアファンデーションであること、更にSNSでの反響も大きく店頭でのタッチアップ希望者が非常に多い。また、その際にスキンケアへの関連提案を行えるきっかけにも繋がっている」など、資生堂においては、各ブランドから話題性の高い商品が生まれていることが分かる。


 このように「商品」においては、各社から魅力的な商品が次々と発売されている中、引き続きトップを走るのが「コーセー」、次いで頭角を現してきているのが「資生堂」で、この2社の共通点として〝リレーション〟の上手さが挙げられる。


 某有力店経営者は「まず必要不可欠なのが〝SNSでの発信〟。その次に、例えばデコルテでは、購入アイテムに付属する特典が次の商品に繋がるリレーション形式になっており、このリレーションの流れが出来てくると、店頭においても活動構築が連動して行いやすくなる」と話す。


 今年も残り2カ月。24年度に向けた専門店成長のカギは、「情報発信」「商品」「活動」の3つのリレーションがポイントとなりそうだ。

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