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  • 日本商業新聞

【2022/12/5 日本商業新聞】今後のパーソナル対応とは

 現在、来年1月1日「新春号」で大手化粧品メーカーのトップへのインタビュー取材を行っている。2022年を「我慢の年」としながらも、新型コロナ収束の兆しも見え始めてきた今、2023年に対する期待を口にする。そうした中、この数年間、外出機会の減少や消費意欲の低迷、さらにマスク生活が続いたことで生活様式や消費意識は変化。化粧品市場でも今までに無かった動きが見られるようになり、新たな対応が必要となっている。そして、それはメーカーだけでなく、小売業界も同じで、変化した生活者意識にどう対応していくかが焦点となるだろう。(半沢)



■新しい動きへの対応


 新型コロナ収束の兆しが見え始めてきた今、各メーカーから来年多くの新ブランドや新商品を導入することが明らかにされている。実際、某OEM企業の幹部も「少しずつ受注が増えている。原材料の高騰等、マイナス材料はあり、厳しい環境が続くが、それでも市場に動きが出てくれば」と説明する。その幹部の言葉通り、この数年間、新型コロナで外出機会が減ったことで生活者の化粧品に対する購買意欲は低下し、それに伴って新商品の数も例年に比べて少なかったが、印象として回復傾向に転じていて、さらに来年以降、各社の商品施策が活発になるものと思われる。


 その中で傾向の一つとして捉えているのが、生活者の化粧に対する意識やニーズが多様化し、新しい機能や価値を訴求するブランドやアイテムが増えていること。例えば先日花王の化粧品事業より、Z世代に向けた新ブランドとしてEC限定で発売した「アンリクス」がそうだ。近年、男性の美容に対する意識が高まっている。金額規模こそまだ小さいが、男性が購入する化粧品の金額規模は年々拡大傾向にあり、今後への期待が高まっている市場の一つである。


 また、この数年間で伸長傾向なのは男性用化粧品だけではない、フレグランスやギフトの市場も新型コロナの影響で期待度が高まっている市場と言える。例えばフレグランスは、これまで「自分らしさ」を表現するアイテムとしてメイクがあったが、マスク生活でメイクする機会が減り、そのその代わりに香りで自分らしさを表現する生活者が増えていると聞く。香りに特化したアイテムを集めた特設コーナーを設けるバラエティショップは多く、常に来店客で賑わっている様子をよく見る。


 また、「ギフト」もそうだ。もともと、お中元やお歳暮等は減少傾向だったが、一方で知人や友人に向けてコミュニケーション手段としてプレゼントするケースが増加。また、新型コロナによる行動制限がこの春に緩和されたことで、人と会う機会が増え、その時の手土産として化粧品をプレゼントする生活者も増えているようだ。


 これはほんの一例でしかないが、生活者ニーズの多様化やコロナ禍での生活を経て、変化は顕著なものになっている。各メーカーもそうした変化に対応するために商品開発に力を注いでいる。



■「店全体」に視野拡大が必要


 また、変化に対応しなければならないのは、メーカーだけでなく、それを取り扱う、化粧品専門店も含めた小売店もそうだ。今の生活者ニーズに合わせたブランドや商品が増えるいうことは、それらに適したMDや品揃えも含めたコーナーづくり、購買意欲を促すような情報発信など、様々な部分で対応していかなければならない。


 今まで専門店では「パーソナルな対応」を課題に取り組み続けてきた。これまでの「パーソナルな対応」とは、お手入れ提案や接客応対が中心だったが、これからはその専門店に来るお客さまのニーズや年齢に合わせながら、売場づくりは勿論、店頭での活動や会員に向けたコミュニケーションを変化させ、「個々のお客さま」という視点と、少し視野を拡げた「お店のお客さま」という視点での対応が求められるのではないかと見ている。


 来年2023年も新型コロナの影響が続くが、それでも化粧品市場には新たな傾向や動きが必ず出てくるはずで、その時大事なのは、自店のお客さまを分析し、どんな動きにもしっかり対応出来る準備を整えておくことではないだろうか。

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