• 日本商業新聞

【2022/10/17 日本商業新聞】各社で美容部員取り組み強化

 現在、多くの化粧品メーカーが美容部員に対する取り組みを強化。先日も資生堂と花王の2社が美容部員に対する新たな取り組みを発表した。美容部員とは、「美容のプロ」であり、生活者ニーズに応え、その生活者を「自分(美容部員)の熱烈なファン」にすることが求められているのは言うまでもない。化粧品を取扱う流通に美容部員は欠かせない存在であるように、生活者にとっても同様の存在でなければならない。生活者の化粧品への意識やニーズが変化している今、美容部員に求められる価値も変わってきている。(半沢)



■美容部員さらに進化へ


 まず資生堂は、国内のビューティーコンサルタントを「パーソナルビューティーパートナー」(PBP)に呼称変更。生活者のなりたい美を一緒に創り上げていく「パートナー」へ進化し、生活者ニーズに寄り添い、一人ひとりの「自分らしい美」を叶えることを目指していく。


 一方花王では、美容部員の総称を「ブランドエバンジェリスト(美の伝道師)」に変更。店頭とオンラインの垣根を越え、ブランドの魅力をあらゆる場所や場面、手法で伝えられるスキルとマインドを有したブランド専属の美容部員を目指すというもの。スキル習得のための研修を来年1月よりスタートさせる。


 勿論、この2社だけでなく、コーセーもこの数年取り組んでいる改革の1つに「究極のBCを育てる」がある。同社が展開するブランドは当然、店舗で展開している他社ブランドも含め、生活者ニーズに最大限応えられる知識や技術で提案していけるBCの育成に取り組んでいる。これら3社以外にも多くの化粧品メーカーが美容部員育成に取り組んでいるが、その中で美容部員に求めているのは「美容のプロ」としてあらゆるニーズに応え、その生活者を「自分(美容部員)の熱烈なファン」にすること。


 化粧品を取扱う流通において、美容部員は欠かせない存在だ。多くの専門店で「豊富な知識やレベルの高い技術丁寧な接客応対に驚く」「美容部員の販売力や推奨力は愛用者拡大に欠かせない」と口を揃えるように、無くてはならない。一方、生活者にとって美容部員はどんな存在なのか。



■生活者にとって大事な存在


 生活者から見た美容部員への印象は「自分に最適な化粧品を探してくれる」「今の肌状態に合ったお手入れ方法をアドバイスしてくれる」「流行のメイク情報を教えてくれる」等々、美容のプロとして評価は高い。ただ、一部には「声をかけられたくない」「話を聞いたら何か買わされそう」等、ネガティブな意見もある。記者が知る限り、多くの美容部員は、お客さまとの信頼関係を築き欠かせない存在だが、全体的に見た場合、残念ながらその域にまで達しきれていないようにも見える。


 美容部員は知識や技術、接客応対において磨き上げられたスキルを持つ、美容のプロである。だからこそお店にとって無くてはならない存在であるように、生活者にとっても無くてはならない存在であるべき。今、殆ど化粧品メーカーが美容部員への取り組みを強化している背景には、全ての美容部員がそうした存在となり、美容のプロとして常に高い満足感や感動を提供して、ひいてはブランドや企業のファンを増やす存在に進化するための過程ではないか。


 言葉でいうのは簡単だが、美容部員にはそれだけの可能性と価値がある存在である。10月になり海外からの帰国者や入国者への水際対策が大幅緩和。加えて、外国人旅行者はツアーだけでなく、個人旅行でも入国が可能となり、街を歩く外国人旅行者も少しずつ増えている。中には化粧品目的で百貨店に来店する外国人もいるだろうが、それが美容部員目的で来店する外国人がいてもおかしくない。高品質の化粧品を、高品質なお店で、高品質の美容部員から購入したいと考えるのは当然のことである。美容部員にはそれだけの可能性がある。今後も美容部員を進化させるための取り組みは強化されるのは間違いなく、それがどこまで進化していくのか、注目していきたいと思う。