• 粧サポ事務局

【日本商業新聞 2021/12/6】◆男性の化粧品購入金額増加◆肌ケア意識高める男性◆コロナ後見据え新たな活動

※本記事は日本商業新聞社様の許諾の上掲載しております


◆男性の化粧品購入金額増加


 経済産業省は、今年9月までの化粧品出荷統計実績を発表。販売金額は9799億2500万円で前年同期比10・4%減となり、依然前年同期実績を下回り続ける。理由は明らかで、新型コロナの拡大で外出機会は減り、スキンケアやメイク関連が落ち込んだためだ。ただ、その中で基礎化粧品を中心に男性の化粧品購入金額は高まっている。国内は新規感染者数が激減し、少しずつだが「withコロナ」「アフターコロナ」を見据えた新たな活動を模索する動きも出始めてきた。そう考えると、専門店での新たな挑戦として、男性客の取り込みに注目が集まっている。(半沢)


 出荷統計実績でも明らかなように化粧品市場全体はまだまだ厳しい状態にある。その中で今回注目したのが「基礎化粧品を中心にした男性の化粧品購入金額の増加」だ。

 

 インテージ発表のデータによれば、2020年の化粧品市場は金額ベースで前年比10%減と2桁減だが、その中で男性の化粧品購入金額は前年比4%の増加。また、その傾向は2016年から続いているそうで、この2021年も市場全体では減少が予測される中、男性の化粧品購入金額は伸びると見られている。


◆肌ケア意識高める男性


 これら動きの背景にはこの数年、男性のスキンケア意識が高まっていることと、昨年新型コロナの影響でマスク生活が日常的になり、ニキビやこすれ、乾燥等の肌トラブルに悩む男性が増えた他リモート会議の増加で、自分の肌を見る機会が増えたことも関係する。

 

 そうした中、ポーラでは今年から美容にハードルを感じている男性を対象に、自分の肌状態を知ってもらうことを目的に、男性への肌分析を推進。ポーラザビューティーやエステイン等で行われ、今年1~8月に6547名が体験した。ちなみにこの数字は昨年同期に対して73倍になる。


 同社関係者によれば肌分析をした男性の多くが「何故肌トラブルが起きているのか」「どこが悪いのか」と、肌トラブルの理由を深く知りたいという傾向が強く、スタッフの話に真剣な表情で耳を傾けるシーンが多く見られたという。男性の場合、スキンケアに関する情報の多くはネットで、対面でしっかりアドバイスを受けることはこれまでになかった。また、肌分析を受けた後、何割の男性が実際に化粧品を購入したのか気になるところだが、肌分析しないで化粧品を購入した人数も含めて昨年の3倍に増加しており、肌分析の効果があったのは間違いない。


 これまで男性が基礎化粧品を購入する際、利用していたのはネットやドラッグストアで、勿論こうした売場には肌分析をする機会はない。しかし、このコロナ禍でスキンケアへの意識が高くなり、自分の肌のことを知りたいという生活者が増えた一方、そのニーズに対応出来ていない。


◆コロナ後見据え新たな活動


 繰り返しになるが、規模は小さいが、男性の化粧品購入金額が増えていることや、このコロナ禍でスキンケア意識を高めた男性が増えているのは事実だ。その一方で肌診断し、その結果をもとに気軽に相談出来たり、商品やサービスを気軽に受けられる場所もない。そう考えていくと、その男性の受け皿として、化粧品専門店で何かしらの取り組みが出来ないものだろうか。つまり「新規客としての可能性」である。


 そのためには男性客でも入りやすい店でなければならないし、店の中の活動も変えていかなければならない。また、品揃えやスタッフの配置等もだ。ただ、新規客を獲得出来る可能性があるなら出来る範囲内でチャレンジしてはどうだろうか。


 さらに男性一人で来店するだけでなく、夫婦やカップルで来店する可能性も十分にあり、そうなると男性だけでなく女性とも新たな接点を持つことも可能だ。限定的な挑戦になってしまうが、これも「withコロナ」「アフターコロナ」を見据えた新しい形の専門店といえる。このまま新型コロナが収束していけば人の流れも以前よりも活発になるのは間違いない。一方、この新型コロナで生活者の消費意識は大きく変化しており、色々な部分でこれまでにない取り組みや考え方が求められる。この男性への活動もその一つではないか、そう感じている。