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【日本商業新聞 一面】〝存在意義〟見つめなおす時 2022/4/4

日本商業新聞

  コロナ禍という先の見えない時代の中で、化粧品専門店及びメーカーにおいては、今一度自身の「存在意義(パーパス)」を見つめなおす時なのでは…と感じている。良い化粧品をつくり販売するだけではなく、一人ひとりが〝誰に、何のために、どんな役に立ちたいか〟という、働くことの意味及び目的をしっかりと持ち行動することが重要なのではないだろうか。



■〝存在意義〟見つめなおす時


 ニューノーマルな時代へと大きく変革を余儀なくされた新型コロナウイルス。飲食や観光、宿泊業界では多くの人々が職を失うなど〝コロナショック〟は様々な業界に影響を与え、化粧品業界においてもECの拡大やデジタルカウンセリングといった流通の変化、また商品面ではメイクアイテムが打撃を受けるなどコロナの影響は続いている。

 コロナ禍も3年目を迎え、未だ終息は厳しい状況だが、その中で昨今改めて思うことは、自身が働くことの目的、即ち「存在意義(パーパス)は何なのか」ということ。

 ある路面専門店の経営者が、コロナ禍で改めて気づかされたエピソードを紹介したい。



■働く意味と目的を再確認


 「当店では、閉塞感漂うコロナ禍の中で〝化粧品屋として、なにかお客様を元気づけ、喜んで頂けることはないか〟と日々模索。そこで、これまで取り組んでいなかった美容家電や雑貨など、化粧品に拘らないコミュニケーションで、常に新しい商材や提案を伝えることで活気づく店頭活動に取り組んできました。


 そんなある日、お客様から『毎回お店に来るたびに色々な商品に出会うことができて、今ではお店に行くことがとても楽しみになっているの。本当にいつも楽しさを与えてくれてありがとう』とおっしゃって頂けたのです。この〝ありがとう〟という言葉に胸が熱くなったと同時に、『化粧品屋をやっていてよかった』と、自店が存在している意味を見いだせた気がしました」と、「改めて自店の存在価値を見つめなおすことができた」と語る。

 これはお店だけでなく、メーカーにおいても共通することであり、良いモノづくりを進める裏側で、お店から「こんな素晴らしい商品をつくってくれてありがとう」と言ってもらえるような想いをのせて商品開発を行っていくことが、メーカーとしての在意意義だと思っている。



■〝ありがとう〟という言葉原動力に


 冒頭に戻るが、コロナにより様々な業界・流通が打撃を受ける中で、化粧品業界においても厳しい状況下にあることは間違いない。ただ、前例のない道を模索している中でも、先程の専門店のように、「お客様の笑顔をひとつでも増やす為に何ができるのか」という目標のもとに様々なことにチャレンジし、その結果がお客様からの〝ありがとう〟に繋がり、お店としての存在意義が見出されたと感じている。


 メーカーで例えるのであれば、研究開発や営業、美容部員など一人ひとりが、誰にどんな風に役に立ちたいのか、自分自身の存在意義について考え深めることができたならば、より一層強い組織になることは間違いない。そしてこの長いコロナの時代が明けた時に、専門店もメーカーも、一人でも多くのお客様から〝ありがとう〟と言ってもらえる存在へと羽ばたいてほしいと思う。

(中濱)

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