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【日本商業新聞 コラム】心意気と美学 -642- 処理水とお隣さん

「また中国が常套手段を使って反日を煽っている。その支離滅裂さにいちいち反論するのは疲れるが、しなければ増長し、チカラで正義も事実も曲げられてしまう。困ったものだが引っ越すわけにも行かず、しぶしぶでも彼らと共存する知恵を絞らなくてはならない。



 北朝鮮にミサイルで脅かされても、韓国大統領に竹島に上陸されても「遺憾なことです」で済ます政治の姿勢もそろそろ正したほうがいい。


 小泉元首相が拉致被害者の返還交渉のために北朝鮮に行き、敵のトップに会った時、笑みを絶ち、仏頂面を通したが、今回の中国の厚顔ぶりには、それ以上、そう殴り返すくらいの怒りを見せたほうがいい。かつて中国の主席が来日し、日本の首相と卓球をしてみせたことがあったが、首相が打ち易いようにやさしい球を返すのに対し、主席はそれをことごとく強く打ち込んで喜んでいた。中国の国民性を見る思いだったが、一方でこの国の人たちと心底仲良くするのは難しいなと思った記憶がある。



 安全性に問題の無いことが科学的に証明され、IAEAもお墨付きを与えている福島の希釈された原発処理水の海への放出に乗じて、中国は国をあげて日本批判のプロパガンダを展開している。日本近海の魚だけでなく、化粧品も日用品も、どこかに海との関連を見つけ、ナンクセを付け、不買運動の対象にするというのだからその短絡さにはあきれるばかりだ。すでに化粧品の中国輸出は中国の税関で門前払いされ、海洋性の原料が入っていれば犯罪者扱いになりそうだという。政治的な背景からある日突然ルールが変えられて日本の化粧品会社は何度も煮え湯を飲まされてきた歴史があるが、今回も中国の不条理な怒りが収まるまで待つしかないと頭を抱えている。



 それにしても中国という国はわからない。欧米の大学には日本をはるかに上回る中国人留学生が居て、その国の文化を学んでいるし、日本へ来る旅行者も民主主義や人権の大切さを知って帰国しているはず。なのにどうしてこんなに理不尽で偏向した政治に反旗を翻さないのか不思議でならない。自分さえ良ければ周りは不幸であったほうがいい、そのためには今の体制のままがいい。そう思っている人間だらけというのなら腑に落ちる。



 西武・そごうの労働組合が61年ぶりにストライキを起こしたが、団塊農耕派も若い頃、労働組合の支部長を経験したことがある。年に2回、賞与闘争があり、会社と交渉するのだが、めでたく早期に満額を勝ち取った年があった。ところがなぜか団塊農耕派の支部だけが採決大会で否決されてしまう。何でも反対する学生運動出身の反体制派が多く居たのがその理由だが、その10倍以上もいる良識派、穏健派が賛成票を入れてくれなかったのだ。


 しかし良識派の狡さを考えれば想像できないことではなかった。いつも良識派は反体制派のラジカル分子を上手に使っていた。自分は会社では満足する評価を受けていて、その地位は揺るがない。十分な賞与ももらえることになった。でもラジカル分子を使って交渉を長引かせればもっと多くを引き出すことができる。いま賛成することはない、獰猛な犬も使いよう…、今思うにそれは中国の知的層の生き様に通じるようなものだった。

(団塊農耕派)

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